1. 【clay pigeon】カモ
例)She's their clay pigeon.(彼女は彼らのカモだ)
2. 【call the shots】支配する
例)The guy was calling the shots at the site. (現場では奴が指揮監督していた)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
最初の表現は、クレー射撃で空中に投げ上げる、土でできた皿状の標的のこと。的(まと)であることから、「カモ」という意味に派生したのでしょうか。
英語の神様と称される故・長崎玄弥さんは、「翻訳家は演奏家だ。同じピアノ曲でも弾くピアニストによって風情が異なるように、翻訳においても、創造的なメンタリティーが大事」とおっしゃっています(長崎玄弥『長崎玄弥の英語の攻め方』1992年,アルク,p. 137)。3歳から15歳までピアノを習っていた僕にとっては、とても分かりやすい比喩だと思いました。同じ曲であっても演奏者が異なれば全く異なる調べになるのと同様、原文が同じ英語の文章であっても日本語にする翻訳者が異なれば訳文も全く異なる調子になります。
そして長崎さんが言う「創造的なメンタリティー」を身に着けるため、ボクはできるだけ多くの本を読んだり、芸術に触れる機会をつくっています。ピアノと同様、翻訳も日々精進です。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.213」を改稿)
2015年8月13日木曜日
2015年8月12日水曜日
現役通訳者によるお役立ち英語表現【43】
1. 【on a light note】軽い調子で
例)The book closes on a light note.(その本は軽い調子でエンディングを迎える)
2. 【tough cookie】手ごわい相手
例)Ayumi is a tough cookie. (森田あゆみ選手は手ごわいプレーヤーだ)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
最初の表現は色々応用が利きます。"on a different note"とすれば「話は変わりますが」、"on a final note"にすれば「最後になりますが」。色々組み合わせてみると面白いです。2つ目の表現は、女子テニス界の女王セリーナ・ウィリアムズ選手が日本の森田あゆみ選手と対戦した後のインタビューで耳にしたものです。直訳すれば「硬いクッキー」ですが、割れにくいことから「手ごわい」といった意味になったのでしょう。
孫引きになりますが、言語学者のカチルは、英語を3種に分類しているそうです。第1グループは母語として話されている英語(@英国、米国など)、第2グループは第二言語として話されている英語(@インド、シンガポールなど旧植民地国など)、第3グループは外国語として学習される英語(@日本、中国、ギリシャなど)です。そしてカチルは、この3グループ間に優劣はない、としています。(鳥飼玖美子「小学校英語教育―異文化コミュニケーションの視点から」大津由紀雄(編著)『小学校の英語教育は必要か』2004年、慶応義塾大学出版会)
巷では、英語を母語とする人のような発音で話すのがよい、といった風潮がありますが、カチルの主張に基づけば、日本人はもっと「日本人的発音」に自信を持っていいようです。「日本語英語」といった揶揄はやめて、いわゆるカタカナ英語でも中身ある発言を自信を持ってする―そんな英語が評価される方向にそろそろシフトしてもいい時期が来ているように感じています。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.212」を改稿)
例)The book closes on a light note.(その本は軽い調子でエンディングを迎える)
2. 【tough cookie】手ごわい相手
例)Ayumi is a tough cookie. (森田あゆみ選手は手ごわいプレーヤーだ)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
最初の表現は色々応用が利きます。"on a different note"とすれば「話は変わりますが」、"on a final note"にすれば「最後になりますが」。色々組み合わせてみると面白いです。2つ目の表現は、女子テニス界の女王セリーナ・ウィリアムズ選手が日本の森田あゆみ選手と対戦した後のインタビューで耳にしたものです。直訳すれば「硬いクッキー」ですが、割れにくいことから「手ごわい」といった意味になったのでしょう。
孫引きになりますが、言語学者のカチルは、英語を3種に分類しているそうです。第1グループは母語として話されている英語(@英国、米国など)、第2グループは第二言語として話されている英語(@インド、シンガポールなど旧植民地国など)、第3グループは外国語として学習される英語(@日本、中国、ギリシャなど)です。そしてカチルは、この3グループ間に優劣はない、としています。(鳥飼玖美子「小学校英語教育―異文化コミュニケーションの視点から」大津由紀雄(編著)『小学校の英語教育は必要か』2004年、慶応義塾大学出版会)
巷では、英語を母語とする人のような発音で話すのがよい、といった風潮がありますが、カチルの主張に基づけば、日本人はもっと「日本人的発音」に自信を持っていいようです。「日本語英語」といった揶揄はやめて、いわゆるカタカナ英語でも中身ある発言を自信を持ってする―そんな英語が評価される方向にそろそろシフトしてもいい時期が来ているように感じています。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.212」を改稿)
2015年8月11日火曜日
現役通訳者によるお役立ち英語表現【42】
1. 【high-flying】野心旺盛な
例)Steve Jobs was known for his high-flying business style.(スティーブ・ジョブスはその野心的なビジネススタイルで知られていた)
2. 【jump ship】退社する
例)She jumped shipp to move to a bigger company. (彼女は大企業に転職するため、退職した)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
最初の表現には「高値の」の意味もあります。直訳すれば「高く飛んでいる」ですから、そこから「野心旺盛な」「高値の」といった意味に派生したのでしょう。
翻訳家の小沢瑞穂さんは2006年12月13日付の『朝日新聞』に掲載された「こころの風景 転機」で次のように述べていらっしゃいます。「三十数年、翻訳という仕事を続けてきたが、適切な訳語を捜してつむぐ仕事が楽しいと思えるようになったのは、始めてから十年くらいたった後だった。」
文脈に沿った適切な訳語を捜し出すという「翻訳の愉楽」、よくわかります。日頃から日英でいろいろな表現をストックしておき、翻訳に際して引き出しから適切な表現を引き出せたときの快感は至極のものです。これからもこのような地味な努力を続けていき、いつか小沢さんの域に達せたら、と思っています。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.211」を改稿)
例)Steve Jobs was known for his high-flying business style.(スティーブ・ジョブスはその野心的なビジネススタイルで知られていた)
2. 【jump ship】退社する
例)She jumped shipp to move to a bigger company. (彼女は大企業に転職するため、退職した)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
最初の表現には「高値の」の意味もあります。直訳すれば「高く飛んでいる」ですから、そこから「野心旺盛な」「高値の」といった意味に派生したのでしょう。
翻訳家の小沢瑞穂さんは2006年12月13日付の『朝日新聞』に掲載された「こころの風景 転機」で次のように述べていらっしゃいます。「三十数年、翻訳という仕事を続けてきたが、適切な訳語を捜してつむぐ仕事が楽しいと思えるようになったのは、始めてから十年くらいたった後だった。」
文脈に沿った適切な訳語を捜し出すという「翻訳の愉楽」、よくわかります。日頃から日英でいろいろな表現をストックしておき、翻訳に際して引き出しから適切な表現を引き出せたときの快感は至極のものです。これからもこのような地味な努力を続けていき、いつか小沢さんの域に達せたら、と思っています。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.211」を改稿)
2015年8月10日月曜日
現役通訳者によるお役立ち英語表現【41】
1. 【holy grail】至高の目標
例)The World Cup is the holy grail of soccer.(ワールドカップはサッカー界の頂点だ)
2. 【guinea pig】実験台
例)I'd like him to be a guinea pig. (彼に実験台になってもらいましょう)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
1つ目の表現はもともと、キリスト教に由来する「聖なる杯(さかずき)」のこと。この手に入りにくいものを求める、ということは高い目標を立てることですから、このような意味になったのでしょう。
2つ目の表現は、もともとは南米のげっ歯類であり家畜動物のテンジクネズミの意味。ネズミが実験動物としてよく使用されることから「実験台」の意味になったのでしょうか。よく使われる表現ですので、覚えておいて損はないと思いますよ。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法」の掲載忘れでスキップされた回から)
例)The World Cup is the holy grail of soccer.(ワールドカップはサッカー界の頂点だ)
2. 【guinea pig】実験台
例)I'd like him to be a guinea pig. (彼に実験台になってもらいましょう)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
1つ目の表現はもともと、キリスト教に由来する「聖なる杯(さかずき)」のこと。この手に入りにくいものを求める、ということは高い目標を立てることですから、このような意味になったのでしょう。
2つ目の表現は、もともとは南米のげっ歯類であり家畜動物のテンジクネズミの意味。ネズミが実験動物としてよく使用されることから「実験台」の意味になったのでしょうか。よく使われる表現ですので、覚えておいて損はないと思いますよ。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法」の掲載忘れでスキップされた回から)
2015年8月8日土曜日
現役通訳者によるお役立ち英語表現【40】
1. 【to a pulp】ぐにゃぐにゃになるまで
例)The guy was beaten to a pulp.(奴はボコボコにやられた)
2. 【catch-22】ジレンマ
例)The company was in a catch-22 situation. (その企業はダブルバインドな状況にあった)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
最初の表現は、紙の原料であるパルプがどろどろの状態にあることからこのような意味になったのでしょう。一方、2つ目の表現は、ジョーゼフ・ヘラーの小説『Catch-22』(1961年)に由来しているとのこと。米軍に属する主人公は、「精神障害を理由に除隊を申し出ると、自己認識があるとみなされ逆に除隊を認められない」というジレンマに悩んだことから来ているそうです。
ニューヨークでは、“delicious(デリシャス、おいしい)”と言うかわりに“derish(デリッシュ)”と言うのが流行っているそうです。deLiciousのLがdeRishとRに変わっているいるのは、日本人がLとRの発音を区別できないところから来ている、とニューヨーク育ちの香港人が言っていました。それを聞いてボクは揶揄されたようで複雑な気持ちがしたものですが、皆さんはどう思いますか?
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.173」を改稿)
例)The guy was beaten to a pulp.(奴はボコボコにやられた)
2. 【catch-22】ジレンマ
例)The company was in a catch-22 situation. (その企業はダブルバインドな状況にあった)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
最初の表現は、紙の原料であるパルプがどろどろの状態にあることからこのような意味になったのでしょう。一方、2つ目の表現は、ジョーゼフ・ヘラーの小説『Catch-22』(1961年)に由来しているとのこと。米軍に属する主人公は、「精神障害を理由に除隊を申し出ると、自己認識があるとみなされ逆に除隊を認められない」というジレンマに悩んだことから来ているそうです。
ニューヨークでは、“delicious(デリシャス、おいしい)”と言うかわりに“derish(デリッシュ)”と言うのが流行っているそうです。deLiciousのLがdeRishとRに変わっているいるのは、日本人がLとRの発音を区別できないところから来ている、とニューヨーク育ちの香港人が言っていました。それを聞いてボクは揶揄されたようで複雑な気持ちがしたものですが、皆さんはどう思いますか?
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.173」を改稿)
現役通訳者によるお役立ち英語表現【39】
1. 【backwater man】田舎者
例)He's a backwater man.(奴は田舎者だ)
2. 【cough up】しぶしぶ出す
例)She finally coughed up the information. (彼女はついに秘密を吐き出した)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
2つ目の表現は、直訳すれば「咳をしながら外に出す」。それが派生して「しぶしぶ出す」となったのでしょう。
無料情報誌『R25』の127号を読んでいたら、NECメディア情報研究所の奥村明俊氏が「音声翻訳がリアルタイムになるのか?」という問いに対して次のように答えていました:
「可能だと思いますよ。イメージとしては、携帯電話に翻訳機能が搭載されていて、携帯に向かって日本語で語りかけると英語の音声が返ってくるというものです。技術的にもかなり近づいているので、5年後には当然のように使われていてもおかしくないと思います。」
この文章は5年以上前に書かれたもので、現在では奥村さんの予言とおり、彼が描写するようなアプリが少なからず出てきています。でもボクはあえて、奥村さんの見解を「機械翻訳のユートピア」と呼びたいと思います。これまで多くの人が機械翻訳を夢見てきた、がしかし、いまだに完全・完璧な機械翻訳/翻訳機械というものは登場していないからです。
例を見てみましょう。名前は伏せますが、あるインターネット上の翻訳サービスを使用してみたところ・・・:
入 力 文:「その通りであろう」
著者英訳:I think it is right.
機械英訳:It will be the street.
これから分かる通り、「その通りit is right」が「そのthe」「通りstreet」と訳されてしまっています。また「であろう(と思われる)I think」が「であろうwill」と未来形に訳されてしまっています。
このように機械翻訳は依然としてユートピアであり、完璧な翻訳機械はそう簡単には登場しないと予測しています(編集前提で機械翻訳を利用せよ、と主張される方はいますが)。「人間臭い」翻訳を大事にしたいボクはそれでいい、と思うのですが、これってオクレテル?
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.210」を改稿)
例)He's a backwater man.(奴は田舎者だ)
2. 【cough up】しぶしぶ出す
例)She finally coughed up the information. (彼女はついに秘密を吐き出した)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
2つ目の表現は、直訳すれば「咳をしながら外に出す」。それが派生して「しぶしぶ出す」となったのでしょう。
無料情報誌『R25』の127号を読んでいたら、NECメディア情報研究所の奥村明俊氏が「音声翻訳がリアルタイムになるのか?」という問いに対して次のように答えていました:
「可能だと思いますよ。イメージとしては、携帯電話に翻訳機能が搭載されていて、携帯に向かって日本語で語りかけると英語の音声が返ってくるというものです。技術的にもかなり近づいているので、5年後には当然のように使われていてもおかしくないと思います。」
この文章は5年以上前に書かれたもので、現在では奥村さんの予言とおり、彼が描写するようなアプリが少なからず出てきています。でもボクはあえて、奥村さんの見解を「機械翻訳のユートピア」と呼びたいと思います。これまで多くの人が機械翻訳を夢見てきた、がしかし、いまだに完全・完璧な機械翻訳/翻訳機械というものは登場していないからです。
例を見てみましょう。名前は伏せますが、あるインターネット上の翻訳サービスを使用してみたところ・・・:
入 力 文:「その通りであろう」
著者英訳:I think it is right.
機械英訳:It will be the street.
これから分かる通り、「その通りit is right」が「そのthe」「通りstreet」と訳されてしまっています。また「であろう(と思われる)I think」が「であろうwill」と未来形に訳されてしまっています。
このように機械翻訳は依然としてユートピアであり、完璧な翻訳機械はそう簡単には登場しないと予測しています(編集前提で機械翻訳を利用せよ、と主張される方はいますが)。「人間臭い」翻訳を大事にしたいボクはそれでいい、と思うのですが、これってオクレテル?
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.210」を改稿)
2015年8月6日木曜日
現役通訳者によるお役立ち英語表現【38】
1. 【mend fences with】仲直りする
例)I mended fences with a coworker.(同僚の1人と関係修復した)
2. 【draw first blood】先制する
例)The team drew first blood in the match. (そのチームは試合で先制点をあげた)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
1つ目の表現は直訳すれば「~とともにフェンスを直す」。 ここから派生して上記のような意味になったのでしょう。2つ目の表現は直訳すれば「最初の血を採る」。ここから「先制する」という意味になったと考えられます。スポーツ、特にサッカーに関するニュースでよく見る・聞く表現のように思います。
2007年のセンター試験も終わりましたが、英語の試験では昨年に引き続きトラブルがあったようです。その英語のリスニング試験に関して、敬愛する元同時通訳者で現在は大学教授の鳥飼玖美子氏は、「大学入試にリスニング試験は必要か?」という刺激的なタイトルのエッセイを2004年に書いています(『論座』2004年4月号)。
氏の意見は以下の文章によく表れています。「大学に入学してから必要な英語力、社会に出たときに求められる英語力は、聞く力だけではない。読む力、書く力に支えられた発信力と、相互関係を構築し維持する対話力がコミュニケーションに欠かせない。」
ある国際展示場の採用担当者と話したとき、彼は誇らしく次のように言いました。「私たちは、きちんとした英語のテストを使って、バイリンガルスタッフを雇いました」。「待てよ?」と思い、僕は「英語のテストができる人と英語でコミュニケーションがとれる人は違うと思いますが。実際英語で面接などをされましたか?」と聞き返しました。彼が返答に詰まっていた、ということは英語で面接はしなかったということ。果たしてこの国際展示場は言語面で成功裏に終わったのでしょうか。またお会いする機会があったら聞いてみたいと思っています。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.209」を改稿)
例)I mended fences with a coworker.(同僚の1人と関係修復した)
2. 【draw first blood】先制する
例)The team drew first blood in the match. (そのチームは試合で先制点をあげた)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
1つ目の表現は直訳すれば「~とともにフェンスを直す」。 ここから派生して上記のような意味になったのでしょう。2つ目の表現は直訳すれば「最初の血を採る」。ここから「先制する」という意味になったと考えられます。スポーツ、特にサッカーに関するニュースでよく見る・聞く表現のように思います。
2007年のセンター試験も終わりましたが、英語の試験では昨年に引き続きトラブルがあったようです。その英語のリスニング試験に関して、敬愛する元同時通訳者で現在は大学教授の鳥飼玖美子氏は、「大学入試にリスニング試験は必要か?」という刺激的なタイトルのエッセイを2004年に書いています(『論座』2004年4月号)。
氏の意見は以下の文章によく表れています。「大学に入学してから必要な英語力、社会に出たときに求められる英語力は、聞く力だけではない。読む力、書く力に支えられた発信力と、相互関係を構築し維持する対話力がコミュニケーションに欠かせない。」
ある国際展示場の採用担当者と話したとき、彼は誇らしく次のように言いました。「私たちは、きちんとした英語のテストを使って、バイリンガルスタッフを雇いました」。「待てよ?」と思い、僕は「英語のテストができる人と英語でコミュニケーションがとれる人は違うと思いますが。実際英語で面接などをされましたか?」と聞き返しました。彼が返答に詰まっていた、ということは英語で面接はしなかったということ。果たしてこの国際展示場は言語面で成功裏に終わったのでしょうか。またお会いする機会があったら聞いてみたいと思っています。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.209」を改稿)
2015年8月4日火曜日
現役通訳者によるお役立ち英語表現【37】
1. 【with kid gloves】慎重に
例)You need to treat him with kid gloves.(彼は慎重に扱った方がいいよ)
2. 【take a back seat】目立たないようにする
例)Money takes a back seat to your health. (健康に比べれば金は二の次だ)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
2つ目の表現は直訳すれば「後部座席に座る」ですが、そこから「目立たない」という意味に派生したのでしょうね。
前回、2006年のWOTY(Word of the Year、「今年の言葉・流行語」)についての話をしましたが、米方言学会は2006年のWOTYを"Pluto(冥王星)"にしたそうです。
ところで最近、この“Pluto”という単語が「(職場などで)降格させる」の意味で使用されているそうです(『朝日新聞』、2007年1月10日)。ご存知のように冥王星は2006年、惑星から矮惑星へと「降格」しました。
したがって「おまえ、降格しちゃうよ!」と言う場合、”You'll get plutoed!”となります。それにしても新語の創出という現象はとても面白いですね。皆さんも降格にはお気をつけあれ!Don't get plutoed!
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.208」を改稿)
例)You need to treat him with kid gloves.(彼は慎重に扱った方がいいよ)
2. 【take a back seat】目立たないようにする
例)Money takes a back seat to your health. (健康に比べれば金は二の次だ)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
2つ目の表現は直訳すれば「後部座席に座る」ですが、そこから「目立たない」という意味に派生したのでしょうね。
前回、2006年のWOTY(Word of the Year、「今年の言葉・流行語」)についての話をしましたが、米方言学会は2006年のWOTYを"Pluto(冥王星)"にしたそうです。
ところで最近、この“Pluto”という単語が「(職場などで)降格させる」の意味で使用されているそうです(『朝日新聞』、2007年1月10日)。ご存知のように冥王星は2006年、惑星から矮惑星へと「降格」しました。
したがって「おまえ、降格しちゃうよ!」と言う場合、”You'll get plutoed!”となります。それにしても新語の創出という現象はとても面白いですね。皆さんも降格にはお気をつけあれ!Don't get plutoed!
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.208」を改稿)
2015年8月3日月曜日
現役通訳者によるお役立ち英語表現【36】
1. 【all the rage】大流行して
例)The song was all the rage when I was in junior high.(この曲は中学時代、大流行していた)
2. 【meat-and-potatoes】ありふれた、基本的な、重要な
例)He's a meat-and-potatoes type of person. (彼はふつうの目立たない人間だ)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
1つ目の表現はin fashion、in vogueとも言い換えられますね。2つ目の表現と関連して、simmered
meat and potatoesと言えば肉じゃがのことになります。アメリカでは肉料理に(マッシュ)ポテトが添えられて出されるのは定番ですから、ここから派生して「ありふれた」「基本的な」といった意味になったのでしょう。
『The Japan Times Weekly』の2006年12月30日号には、『The Japan Times』12月10日号に掲載された「Our Words of the Year」という記事が転載されていました。2006年のWOTY(Word of the Year、今年の言葉・流行語)に関するもので、同紙が選んだWOTYの第1位は「dwarf planet(矮小惑星)」。惑星から降格した「冥王星」が属する新カテゴリーの名称です。10年ほど前の少し古い事象(事件?)ですが、ボクたちが教えられ、信じてきた冥王星についての「真実」が「真実」ではなくなってしまい、まさに驚きの「パラダイム転換paradigm change」でした。
ところで、みなさんの今年のWOTYはもうみつかりましたか?
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.204」を改稿)
例)The song was all the rage when I was in junior high.(この曲は中学時代、大流行していた)
2. 【meat-and-potatoes】ありふれた、基本的な、重要な
例)He's a meat-and-potatoes type of person. (彼はふつうの目立たない人間だ)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
1つ目の表現はin fashion、in vogueとも言い換えられますね。2つ目の表現と関連して、simmered
meat and potatoesと言えば肉じゃがのことになります。アメリカでは肉料理に(マッシュ)ポテトが添えられて出されるのは定番ですから、ここから派生して「ありふれた」「基本的な」といった意味になったのでしょう。
『The Japan Times Weekly』の2006年12月30日号には、『The Japan Times』12月10日号に掲載された「Our Words of the Year」という記事が転載されていました。2006年のWOTY(Word of the Year、今年の言葉・流行語)に関するもので、同紙が選んだWOTYの第1位は「dwarf planet(矮小惑星)」。惑星から降格した「冥王星」が属する新カテゴリーの名称です。10年ほど前の少し古い事象(事件?)ですが、ボクたちが教えられ、信じてきた冥王星についての「真実」が「真実」ではなくなってしまい、まさに驚きの「パラダイム転換paradigm change」でした。
ところで、みなさんの今年のWOTYはもうみつかりましたか?
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.204」を改稿)
2015年8月2日日曜日
現役通訳者によるお役立ち英語表現【35】
1. 【well-heeled】金持ちの
例)He's leading a well-heeled life.(彼は裕福な生活を送っている)
2. 【cosplay】
例)She's a cosplayer. (彼女はコスプレ好きだ)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
1つ目の表現については、the well-heeledとすると名詞化されて「富裕層」の意味に。well-offとほぼ同義ですね。人よりもかかとが高い、ことから比喩的にこのような意味になったのでしょう。ちなみにハイヒールを履くは"wear high heels"。2つ目の表現は、日本語英語のコスプレ=スチューム・プレイが「逆輸入」されて英語になったもの。ただし日本好きの外国人にしか通じないかもしれません。先日、実際にネイティブに使ってみたところ、「スーツなどのしっかりしたコスチュームを着て舞台(play)で演技すること?」と言われてしまったので、相手をみて使いましょう。。なお、コスプレ喫茶は"cosplay cafe"になります。
『ブラッカムの爆撃機』『かかしと召し使い』『エリオン国物語 I』等を翻訳されている法政大学教授(児童文学研究)で翻訳家の金原瑞人さんは、英文を訳す際のコツとして英文を「カメラワークで読んでいくといい」とアドバイスしています(「自然な日本語、息づく訳を」『朝日新聞』2006年12月6日)。例として“I met a beautiful girl who wore a hat and scarf set.”という文を挙げ、この文をカメラワークを意識して訳すと「女の子がいる。可愛い子だ。よく見ると帽子とスカーフを身につけている」となるとのこと。リズムのある、秀逸な訳に思えます。
カメラワークを意識して翻訳してみるとは考えたこともなかったなぁ。次回、カメラワークが生かせる翻訳事案が来た際にはぜひ試してみたいと思います。ちなみに金原さんの娘さんはあの『蛇にピアス』で芥川賞を受賞した金原ひとみさん。最近、その英語版「Snake and Earrings」を入手したので、早速半分ほど読みました。もちろん英訳の力量にも左右される部分はあるとは思いますが、それを差し引いても、読者を惹きつけて止まない卓抜な物語展開。良い意味での、蛙の子は蛙、です。その筆力に羨望の眼差し、です。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.203」を改稿)
例)He's leading a well-heeled life.(彼は裕福な生活を送っている)
2. 【cosplay】
例)She's a cosplayer. (彼女はコスプレ好きだ)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
1つ目の表現については、the well-heeledとすると名詞化されて「富裕層」の意味に。well-offとほぼ同義ですね。人よりもかかとが高い、ことから比喩的にこのような意味になったのでしょう。ちなみにハイヒールを履くは"wear high heels"。2つ目の表現は、日本語英語のコスプレ=スチューム・プレイが「逆輸入」されて英語になったもの。ただし日本好きの外国人にしか通じないかもしれません。先日、実際にネイティブに使ってみたところ、「スーツなどのしっかりしたコスチュームを着て舞台(play)で演技すること?」と言われてしまったので、相手をみて使いましょう。。なお、コスプレ喫茶は"cosplay cafe"になります。
『ブラッカムの爆撃機』『かかしと召し使い』『エリオン国物語 I』等を翻訳されている法政大学教授(児童文学研究)で翻訳家の金原瑞人さんは、英文を訳す際のコツとして英文を「カメラワークで読んでいくといい」とアドバイスしています(「自然な日本語、息づく訳を」『朝日新聞』2006年12月6日)。例として“I met a beautiful girl who wore a hat and scarf set.”という文を挙げ、この文をカメラワークを意識して訳すと「女の子がいる。可愛い子だ。よく見ると帽子とスカーフを身につけている」となるとのこと。リズムのある、秀逸な訳に思えます。
カメラワークを意識して翻訳してみるとは考えたこともなかったなぁ。次回、カメラワークが生かせる翻訳事案が来た際にはぜひ試してみたいと思います。ちなみに金原さんの娘さんはあの『蛇にピアス』で芥川賞を受賞した金原ひとみさん。最近、その英語版「Snake and Earrings」を入手したので、早速半分ほど読みました。もちろん英訳の力量にも左右される部分はあるとは思いますが、それを差し引いても、読者を惹きつけて止まない卓抜な物語展開。良い意味での、蛙の子は蛙、です。その筆力に羨望の眼差し、です。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.203」を改稿)
2015年7月28日火曜日
現役通訳者によるお役立ち英語表現【34】
1. 【firebrand】扇動者
例)The dictator is spreading firebrand politics to the public.(その暴君は国民に扇動政治を広めている)
2. 【out of touch】現実を把握していない
例)She was out of touch with the news. (彼女はそのニュースを知らなかった)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
敬愛する村上春樹さんは、あるエッセイで誤訳について述べていて、「もしそれが『誤訳』であるのなら、僕は進んでその『誤訳』を背負って、それに殉じてもいいとさえ思っている」とおっしゃっています(「俺と僕と私」『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』、新潮文庫、p. 300)。
やはり村上さんぐらいの一流の翻訳家ともなると「誤訳とともに殉死する」くらいの度胸が必要なのですね。ところで気になるのが、村上さんが「誤訳」と、誤訳の文字を鍵括弧に入れている点です。英語は色々な日本語に翻訳することができ、翻訳者が100人いれば100通りの訳が生まれます。だとしたらいったいどこまでが「正しい翻訳」で、どこからが「誤訳」なのでしょうか。これは簡単には解けない難問のような気がしています。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.202」を改稿)
例)The dictator is spreading firebrand politics to the public.(その暴君は国民に扇動政治を広めている)
2. 【out of touch】現実を把握していない
例)She was out of touch with the news. (彼女はそのニュースを知らなかった)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
敬愛する村上春樹さんは、あるエッセイで誤訳について述べていて、「もしそれが『誤訳』であるのなら、僕は進んでその『誤訳』を背負って、それに殉じてもいいとさえ思っている」とおっしゃっています(「俺と僕と私」『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』、新潮文庫、p. 300)。
やはり村上さんぐらいの一流の翻訳家ともなると「誤訳とともに殉死する」くらいの度胸が必要なのですね。ところで気になるのが、村上さんが「誤訳」と、誤訳の文字を鍵括弧に入れている点です。英語は色々な日本語に翻訳することができ、翻訳者が100人いれば100通りの訳が生まれます。だとしたらいったいどこまでが「正しい翻訳」で、どこからが「誤訳」なのでしょうか。これは簡単には解けない難問のような気がしています。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.202」を改稿)
2015年7月26日日曜日
現役通訳者によるお役立ち英語表現【33】
1. 【honcho】リーダー
例)He's the head honcho of the organization.(彼は組織のトップだ)
2. 【have teeth】効力を持つ
例)This contract has no teeth. (この契約書はざるだ)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
1つ目の表現については、日本語の「班長」に由来する単語です。以前、「かわいいkawaii」や「過労死karoshi」が英単語としてそのまま使用されている、という話をしましたが、「班長」もそうだったんですね。
「The Japan Times Weekly」の2006年9月30日号(6面)によると、村上春樹さんが短編集"Blind Willow, Sleeping Woman"でThe Frank O'Conner International Short Storyを受賞されたとのこと。ファンの僕としては嬉しい限りですが、同記事で村上さんが"Novelist and translator"と紹介されていました。
サリンジャーによる不朽の名作『ライ麦畑でつかまえて』の新訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』などを手がけている村上さんですが、小説家としてだけでなく、翻訳家としても国際的に認知されているんですね。以前、何かの媒体で村上さんは「翻訳をすることは小説を執筆する際によい影響がある」とおっしゃっていましたが、逆に翻訳者が小説家になった例は寡聞にして知りません。最近、『嵐が丘』の新訳を担当された鴻巣友季子さんがエッセイ集を出していらっしゃいますが、小説ではないようです。どなたか翻訳者が小説家になった例をご存じでしたら教えてください。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.201」を改稿)
例)He's the head honcho of the organization.(彼は組織のトップだ)
2. 【have teeth】効力を持つ
例)This contract has no teeth. (この契約書はざるだ)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
1つ目の表現については、日本語の「班長」に由来する単語です。以前、「かわいいkawaii」や「過労死karoshi」が英単語としてそのまま使用されている、という話をしましたが、「班長」もそうだったんですね。
「The Japan Times Weekly」の2006年9月30日号(6面)によると、村上春樹さんが短編集"Blind Willow, Sleeping Woman"でThe Frank O'Conner International Short Storyを受賞されたとのこと。ファンの僕としては嬉しい限りですが、同記事で村上さんが"Novelist and translator"と紹介されていました。
サリンジャーによる不朽の名作『ライ麦畑でつかまえて』の新訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』などを手がけている村上さんですが、小説家としてだけでなく、翻訳家としても国際的に認知されているんですね。以前、何かの媒体で村上さんは「翻訳をすることは小説を執筆する際によい影響がある」とおっしゃっていましたが、逆に翻訳者が小説家になった例は寡聞にして知りません。最近、『嵐が丘』の新訳を担当された鴻巣友季子さんがエッセイ集を出していらっしゃいますが、小説ではないようです。どなたか翻訳者が小説家になった例をご存じでしたら教えてください。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.201」を改稿)
現役通訳者によるお役立ち英語表現【32】
1. 【with a grain of salt】(話を聞く際に)割り引いて(聞く、考える)
例)We should take her story with a grain of salt.(彼女の話は割り引いて聞いたほうがいい)
2. 【(up)on the horns of a dilemma】ジレンマに陥って
例)I found myself impaled upon the horns of dilemma. (僕はどっちつかずの状態にあった)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
最初の表現は、塩気のない物(=信用できない話)はそのままでは食べられないので一粒の塩を加えて食べる、ということに由来しているようです。2つ目の表現は直訳すると「ジレンマの角に乗って」。そこから派生して「ジレンマに陥って」という意味になったようですね。同じ意味で"I'm in a catch-22 situation."とも言えます。hornを使った他の表現には"I'm on the horn."(電話中です)があります。
桐野夏生さんの著された『OUT』という小説が、アメリカを始めとして国際的に注目を浴びているそうです。その桐野さんの作品が翻訳されて海外に流通される際に、「言葉の壁」に加えて「文化の壁」があったようです。例えば、子どもの誘拐をテーマにした作品『柔らかな頬』はアメリカでの出版が見送られた、と桐野さんはインタビューでおっしゃっています。(『Asahi Weekly』2006年10月29日号、p. 8。インタビューは中村紀子。)
単にすばらしい作品であればそのまま翻訳されて海外に流通する、という訳ではないんですね。「社会的影響」と「言論の自由」との間のせめぎ合いがあるようです。ちなみに『OUT』の翻訳版は手元にあるのですが積読状態になっています。早速ページを繰ってみることにします。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.200」を改稿)
例)We should take her story with a grain of salt.(彼女の話は割り引いて聞いたほうがいい)
2. 【(up)on the horns of a dilemma】ジレンマに陥って
例)I found myself impaled upon the horns of dilemma. (僕はどっちつかずの状態にあった)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
最初の表現は、塩気のない物(=信用できない話)はそのままでは食べられないので一粒の塩を加えて食べる、ということに由来しているようです。2つ目の表現は直訳すると「ジレンマの角に乗って」。そこから派生して「ジレンマに陥って」という意味になったようですね。同じ意味で"I'm in a catch-22 situation."とも言えます。hornを使った他の表現には"I'm on the horn."(電話中です)があります。
桐野夏生さんの著された『OUT』という小説が、アメリカを始めとして国際的に注目を浴びているそうです。その桐野さんの作品が翻訳されて海外に流通される際に、「言葉の壁」に加えて「文化の壁」があったようです。例えば、子どもの誘拐をテーマにした作品『柔らかな頬』はアメリカでの出版が見送られた、と桐野さんはインタビューでおっしゃっています。(『Asahi Weekly』2006年10月29日号、p. 8。インタビューは中村紀子。)
単にすばらしい作品であればそのまま翻訳されて海外に流通する、という訳ではないんですね。「社会的影響」と「言論の自由」との間のせめぎ合いがあるようです。ちなみに『OUT』の翻訳版は手元にあるのですが積読状態になっています。早速ページを繰ってみることにします。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.200」を改稿)
2015年7月24日金曜日
現役通訳者によるお役立ち英語表現【31】
1. 【big-ticket】高額な
例)I made a big-ticket purchase.(私は高額なモノを1点買いした)
2. 【down to the wire】仕上げにかかって
例)We're getting down to the wire. (作業は最終局面を迎えている)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
1つ目の表現は、チケットのなかでも大きな(=高額な)チケット、というところからこのような意味になったのでしょうか。
小林智香子さんは、野中柊『ヨモギ・アイス』と藤野千夜『おしゃべり会談』を英訳された翻訳家。その際に出くわした翻訳の難しさについて、小林さんは次のように述べています(『Asahi Weekly』2006年10月29日号、p. 12)。
One of the story characters eats “Peyang sauce yakisoba” (ぺヤングソース焼きそば). Japanese can immediately grasp the certain nuance these words have, but it might be difficult for native English speakers to understand. “I always considered whether it is worth explaining in sentences at a risk of cutting the flow of a composition or just leave it as it is and ask the reader to grasp the situation.”
小難しい言い方をすれば「翻訳不可能性」についての文章ですが、小林さんの英訳時の苦労が伝わってくる文章です。ぜひ読んでみてください。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.199」を改稿)
例)I made a big-ticket purchase.(私は高額なモノを1点買いした)
2. 【down to the wire】仕上げにかかって
例)We're getting down to the wire. (作業は最終局面を迎えている)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
1つ目の表現は、チケットのなかでも大きな(=高額な)チケット、というところからこのような意味になったのでしょうか。
小林智香子さんは、野中柊『ヨモギ・アイス』と藤野千夜『おしゃべり会談』を英訳された翻訳家。その際に出くわした翻訳の難しさについて、小林さんは次のように述べています(『Asahi Weekly』2006年10月29日号、p. 12)。
One of the story characters eats “Peyang sauce yakisoba” (ぺヤングソース焼きそば). Japanese can immediately grasp the certain nuance these words have, but it might be difficult for native English speakers to understand. “I always considered whether it is worth explaining in sentences at a risk of cutting the flow of a composition or just leave it as it is and ask the reader to grasp the situation.”
小難しい言い方をすれば「翻訳不可能性」についての文章ですが、小林さんの英訳時の苦労が伝わってくる文章です。ぜひ読んでみてください。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.199」を改稿)
2015年7月23日木曜日
現役通訳者によるお役立ち英語表現【30】
1. 【root and branch】徹底的に
例)The specialist eradicated the disease root and branch.(専門家はその疾病を根絶した)
2. 【couch doctor】精神科医
例)The child sees a couch doctor on a weekly basis. (その子は1週間に1度、セラピーを受けている)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
root and branchは直訳すれば「根っこと枝」。根っこから枝まで木の全体を表現することで、「徹底的に」という意味になったと考えられます。2つ目の表現は、精神病学の始祖フロイトがカウチを使って治療を行ったことから由来している表現と推察されます。
戸田奈津子さんのご尽力によって人口に膾炙した字幕翻訳は、その性質上、字数の制限があります。村上春樹さんは字幕翻訳を「俳句とかコピーライティングの世界に近い作業」と喝破しています(「ダーティ・ハリー問題」『村上朝日堂』新潮文庫、p. 182)。ボクのとってコピーライターは昔からなりたいと思っていた憧れの職業であり、加えて俳句ではありませんが短歌をかじっていることもあって、字幕翻訳は一度チャレンジしてみたい分野です。
映画のなかで、短くてインパクトがあり、かつ一瞬で理解できる字幕翻訳に出くわすたびに、嘆息しているのはボクだけでしょうか?
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.198」を改稿)
例)The specialist eradicated the disease root and branch.(専門家はその疾病を根絶した)
2. 【couch doctor】精神科医
例)The child sees a couch doctor on a weekly basis. (その子は1週間に1度、セラピーを受けている)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
root and branchは直訳すれば「根っこと枝」。根っこから枝まで木の全体を表現することで、「徹底的に」という意味になったと考えられます。2つ目の表現は、精神病学の始祖フロイトがカウチを使って治療を行ったことから由来している表現と推察されます。
戸田奈津子さんのご尽力によって人口に膾炙した字幕翻訳は、その性質上、字数の制限があります。村上春樹さんは字幕翻訳を「俳句とかコピーライティングの世界に近い作業」と喝破しています(「ダーティ・ハリー問題」『村上朝日堂』新潮文庫、p. 182)。ボクのとってコピーライターは昔からなりたいと思っていた憧れの職業であり、加えて俳句ではありませんが短歌をかじっていることもあって、字幕翻訳は一度チャレンジしてみたい分野です。
映画のなかで、短くてインパクトがあり、かつ一瞬で理解できる字幕翻訳に出くわすたびに、嘆息しているのはボクだけでしょうか?
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.198」を改稿)
2015年7月14日火曜日
現役通訳者によるお役立ち英語表現【29】
1. 【from ear to ear】口を大きく開いて
例)The lady smiled from ear to ear.(その女性は満面の笑みを浮かべた)
2. 【racket】いかがわしい商売
例)He's involved in criminal rackets. (彼は犯罪に当たるようないかがわしい商売に関わっている)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
1つ目の表現は、口を大きく横に開くと、片耳からもう片方の耳へ広げたようにみえることに由来しているようです。2つ目のracketについては、ついテニスや卓球のラケットを思い起こしてしまいますが、上記のような意味もあること、覚えておきましょう。
第23回で、若い女性が主人公の物語、例えば『ブリジット・ジョーンズの日記』や『The Sex and the City』といった作品をChick Lit(chickのliterature、つまり若い女性の文学)と呼ぶ、と紹介しましたが、インドネシアでもこのChick Litが流行っているようです(2006年10月14日号『The Japan Times Weekly』、第19面)。厳しい検閲が敷かれていたスハルト政権が終焉を迎え、人びと、特に女性たちは以前に比べて自由に性愛を語るようになってきています。女性の性愛が明け透けに語られるChick Lit、同国でのその興隆は、女性たちの変貌(解放)と相関した、興味深い動向だと言えます。(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.196」を改稿)
例)The lady smiled from ear to ear.(その女性は満面の笑みを浮かべた)
2. 【racket】いかがわしい商売
例)He's involved in criminal rackets. (彼は犯罪に当たるようないかがわしい商売に関わっている)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
1つ目の表現は、口を大きく横に開くと、片耳からもう片方の耳へ広げたようにみえることに由来しているようです。2つ目のracketについては、ついテニスや卓球のラケットを思い起こしてしまいますが、上記のような意味もあること、覚えておきましょう。
第23回で、若い女性が主人公の物語、例えば『ブリジット・ジョーンズの日記』や『The Sex and the City』といった作品をChick Lit(chickのliterature、つまり若い女性の文学)と呼ぶ、と紹介しましたが、インドネシアでもこのChick Litが流行っているようです(2006年10月14日号『The Japan Times Weekly』、第19面)。厳しい検閲が敷かれていたスハルト政権が終焉を迎え、人びと、特に女性たちは以前に比べて自由に性愛を語るようになってきています。女性の性愛が明け透けに語られるChick Lit、同国でのその興隆は、女性たちの変貌(解放)と相関した、興味深い動向だと言えます。(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.196」を改稿)
2015年7月13日月曜日
現役通訳者によるお役立ち英語表現【28】
1. 【behemoth】巨大なもの
例)She works for a corporate behemoth as an executive.(彼女は巨大企業のエグゼクティブだ)
2. 【slush fund】不正資金
例)The deal was done through slush fund. (その取引は不正資金を使って行われた)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
最初のbehemothはもともと、聖書に登場するビヒモスのことで、ヨブ記に出てくるカバのような巨獣。派生して「巨大なもの」全般を意味するようになったのでしょう。2つ目のslushはslash(斜線)ではないので綴りに気をつけて下さい。ちなみにslush avalancheは「雪崩」を意味します。
2006年9月10日号「Asahi Weekly」に掲載されていた「辞書GAKU事始め」(磐崎弘貞氏)によると、日本初の外国人英語教師とされているラナルド・マクドナルド(Ranald MacDonald)は、当時鎖国をしていた1848年、難破を装って日本に入り込みます。しかし捕まってしまい、7カ月間の監禁を経験します。しかしその後、長崎奉行に見込まれたマクドナルドは、通詞(当時の通訳者を指す語)に英語を教え始めます。そのマクドナルドからヒントを得た外国語習得のコツとして磐崎氏は次の4つを挙げています。
(1)異文化に対する知的関心
(2)読解と並行して、口語/リスニングの重視
(3)新しく仕入れた知識はメモする
(4)英語辞書の最大限の活用
「温故知新」ではないですが、マクドナルド日本上陸から150年以上経つ現代でも、(1)~(4)のいずれのコツも英語学習のヒントになりそうです。ボクも特に(4)は参考にしてみたいと思いましたし、皆さんも気になるものがあれば試してみてください。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.194」を改稿)
例)She works for a corporate behemoth as an executive.(彼女は巨大企業のエグゼクティブだ)
2. 【slush fund】不正資金
例)The deal was done through slush fund. (その取引は不正資金を使って行われた)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
最初のbehemothはもともと、聖書に登場するビヒモスのことで、ヨブ記に出てくるカバのような巨獣。派生して「巨大なもの」全般を意味するようになったのでしょう。2つ目のslushはslash(斜線)ではないので綴りに気をつけて下さい。ちなみにslush avalancheは「雪崩」を意味します。
2006年9月10日号「Asahi Weekly」に掲載されていた「辞書GAKU事始め」(磐崎弘貞氏)によると、日本初の外国人英語教師とされているラナルド・マクドナルド(Ranald MacDonald)は、当時鎖国をしていた1848年、難破を装って日本に入り込みます。しかし捕まってしまい、7カ月間の監禁を経験します。しかしその後、長崎奉行に見込まれたマクドナルドは、通詞(当時の通訳者を指す語)に英語を教え始めます。そのマクドナルドからヒントを得た外国語習得のコツとして磐崎氏は次の4つを挙げています。
(1)異文化に対する知的関心
(2)読解と並行して、口語/リスニングの重視
(3)新しく仕入れた知識はメモする
(4)英語辞書の最大限の活用
「温故知新」ではないですが、マクドナルド日本上陸から150年以上経つ現代でも、(1)~(4)のいずれのコツも英語学習のヒントになりそうです。ボクも特に(4)は参考にしてみたいと思いましたし、皆さんも気になるものがあれば試してみてください。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.194」を改稿)
2015年7月12日日曜日
現役通訳者によるお役立ち英語表現【27】
1. 【on a tear】大騒ぎして
例)The guys went on a tear.(奴らはどんちゃん騒ぎをしていた)
2. 【buzzword】流行語
例)He uses lots of buzzwords. (彼ははやり言葉をよく使う)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
最初のフレーズにあるtearはもちろん「涙」の意味ですが、on a tearになると全然違う意味になるんですね。2つ目のbuzzwordですが、最近、ボクの住むアメリカで耳にしたbuzzwordはeye candy。直訳すれば「目にとってのキャンディー」ですが、転じて「目の保養になるようなステキな人」という意味だそうです。
ボクが生業(なりわい)とする通翻訳は日本語能力がポイントになってくるので、言葉を武器とする社会学者の本をよく読みます。最近読んだ社会学系の本の中で、内容もさることながら、その日本語のセンスに感動したのが上野千鶴子さんの『生き延びるための思想』(2006年、岩波書店)。特に冒頭の「はじめに-あげた手をおろす」と、最後の「あとがき-『祈り』にかえて」は圧巻で、言葉がこれほど人を感動させるものかと感じさせられました。社会学に興味のない方でも、日本語の美しさ・力強さという観点から、ぜひ読んでみてください。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.192」を改稿)
例)The guys went on a tear.(奴らはどんちゃん騒ぎをしていた)
2. 【buzzword】流行語
例)He uses lots of buzzwords. (彼ははやり言葉をよく使う)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
最初のフレーズにあるtearはもちろん「涙」の意味ですが、on a tearになると全然違う意味になるんですね。2つ目のbuzzwordですが、最近、ボクの住むアメリカで耳にしたbuzzwordはeye candy。直訳すれば「目にとってのキャンディー」ですが、転じて「目の保養になるようなステキな人」という意味だそうです。
ボクが生業(なりわい)とする通翻訳は日本語能力がポイントになってくるので、言葉を武器とする社会学者の本をよく読みます。最近読んだ社会学系の本の中で、内容もさることながら、その日本語のセンスに感動したのが上野千鶴子さんの『生き延びるための思想』(2006年、岩波書店)。特に冒頭の「はじめに-あげた手をおろす」と、最後の「あとがき-『祈り』にかえて」は圧巻で、言葉がこれほど人を感動させるものかと感じさせられました。社会学に興味のない方でも、日本語の美しさ・力強さという観点から、ぜひ読んでみてください。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.192」を改稿)
2015年7月7日火曜日
現役通訳者によるお役立ち英語表現【26】
1. 【fare well】うまくいく例)The stock market is faring well. (株式市場は好調だ)
2. 【in the bag】手中に収めて
例)I have two trophies in the bag. (私は2度、優勝している)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
1つ目のfare wellは、一語にすればfarewell。しかしfarewellの意味は「別れの言葉」「送別会」などであり、fare wellとはまったく異なる意味になります。
2つ目のin the bagはunder one's beltでも言い換えられます。つまりI have two trophies under my belt.とも言えます。また、in the bagには他にも「解決して」「酔っぱらって」といった意味もあります。Everything is in the bag. と言えば「すべて解決済みだよ」、I’m in the bag.と言えば「酔っちゃった」となります。ちなみに、What's in the bag?と言えば「元気でやってる?」の意味にもなります。
村上春樹さんが観ていたヴェトナム戦争を主題とした映画で、次のような場面がありました。あるパイロットが「どのくらいヴェトナムにいた?」と聞かれて“Two turns and a half”と答えていたシーンです。その日本語の字幕は「二往復半」となっていたそうですが、村上さんはヴェトナム戦争の“one turn”は二年とどこかで読んで知っていたから、「二期半」と訳すべきであると気が付いた、とおっしゃっています(「ヴェトナム戦争問題」『村上朝日堂』新潮文庫、p. 176)。あるいは「5年」と訳してもいいかも知れませんね。
村上さんのエッセイは約20年前に書かれており、今はインターネットがあるので、上記のような疑問はすぐに解決できるようになりました。しかし、翻訳の「カン」みたいなものは常日頃からアンテナを高くすることで鍛えておかなければなりません。そのようにしていると様々な事象の背景知識(雑学?)が増えるため、英語自体の理解度も格段にアップするでしょう。背景知識の習得も外国語を学ぶコツかも知れませんね。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.191」を改稿)
2. 【in the bag】手中に収めて
例)I have two trophies in the bag. (私は2度、優勝している)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
1つ目のfare wellは、一語にすればfarewell。しかしfarewellの意味は「別れの言葉」「送別会」などであり、fare wellとはまったく異なる意味になります。
2つ目のin the bagはunder one's beltでも言い換えられます。つまりI have two trophies under my belt.とも言えます。また、in the bagには他にも「解決して」「酔っぱらって」といった意味もあります。Everything is in the bag. と言えば「すべて解決済みだよ」、I’m in the bag.と言えば「酔っちゃった」となります。ちなみに、What's in the bag?と言えば「元気でやってる?」の意味にもなります。
村上春樹さんが観ていたヴェトナム戦争を主題とした映画で、次のような場面がありました。あるパイロットが「どのくらいヴェトナムにいた?」と聞かれて“Two turns and a half”と答えていたシーンです。その日本語の字幕は「二往復半」となっていたそうですが、村上さんはヴェトナム戦争の“one turn”は二年とどこかで読んで知っていたから、「二期半」と訳すべきであると気が付いた、とおっしゃっています(「ヴェトナム戦争問題」『村上朝日堂』新潮文庫、p. 176)。あるいは「5年」と訳してもいいかも知れませんね。
村上さんのエッセイは約20年前に書かれており、今はインターネットがあるので、上記のような疑問はすぐに解決できるようになりました。しかし、翻訳の「カン」みたいなものは常日頃からアンテナを高くすることで鍛えておかなければなりません。そのようにしていると様々な事象の背景知識(雑学?)が増えるため、英語自体の理解度も格段にアップするでしょう。背景知識の習得も外国語を学ぶコツかも知れませんね。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.191」を改稿)
2015年7月6日月曜日
現役通訳者によるお役立ち英語表現【25】
1. 【theater】戦域
例)The place was a theater of WWI. (その土地は第一次世界大戦の戦場だった)
2. 【heavy hand】締めつけ
例)The ruler ruled the country with a heavy hand. (統治者は専制政治を敷いた)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
Theaterというとつい「映画館」を思い浮かべてしまいますが、「戦域」という 意味もあるんですよね。ほかにも「階段教室」(確かに映画館みたいですよね)や「劇作品」といったような意味もありますので、気になる方は辞書を確認してみてください。芋づる式勉強法も英語学習には役立ちます。
第17回で、機械が翻訳者や通訳者の仕事を奪う可能性はない、と述べましたが、元同時通訳者で、現在大学で教鞭をとっている鳥飼玖美子さんも同様のことをおっしゃっていました(『異文化をこえる英語 日本人はなぜ話せないか』1996年、丸善)。以下に引用したいと思います。
「コンピューターが発達して自動翻訳機械ができたら、通訳者は失業するんじゃないですか?とまじめに心配してくれた人がかつていたが、とんでもない。機械での翻訳には限界があるということがわかって(そんなことは通訳者は皆、最初から知っていた)、通訳者の需要は減るどころか、ますます増えている。言語というものはすぐれて人間的なものであり、外国語学習も人間的要素こそがもっとも重要なのである。」(pp. 151-152)
また社会学者の上野千鶴子さんも翻訳の問題に関して「テクノロジーは合理的だが言語は非合理的である。それをニューメディアが解決してくれることなどなそうだ。」とおっしゃっています(『国際円卓議論・本の未来』1999年、大日本印刷株式会社ICC本部)。
「あの」鳥飼さんや上野さんも同じようなことを言っているということは、機械が翻訳者や通訳者の仕事を奪う可能性はない、と考えてもいいかも知れませんが、ご発言はともに1990年代後半。テクノロジーがさらに進歩した2015年、今どのようにこの問題を考えていらっしゃるのか、お二人に聞いてみたい気がしています。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.189」を改稿)
例)The place was a theater of WWI. (その土地は第一次世界大戦の戦場だった)
2. 【heavy hand】締めつけ
例)The ruler ruled the country with a heavy hand. (統治者は専制政治を敷いた)
今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
Theaterというとつい「映画館」を思い浮かべてしまいますが、「戦域」という 意味もあるんですよね。ほかにも「階段教室」(確かに映画館みたいですよね)や「劇作品」といったような意味もありますので、気になる方は辞書を確認してみてください。芋づる式勉強法も英語学習には役立ちます。
第17回で、機械が翻訳者や通訳者の仕事を奪う可能性はない、と述べましたが、元同時通訳者で、現在大学で教鞭をとっている鳥飼玖美子さんも同様のことをおっしゃっていました(『異文化をこえる英語 日本人はなぜ話せないか』1996年、丸善)。以下に引用したいと思います。
「コンピューターが発達して自動翻訳機械ができたら、通訳者は失業するんじゃないですか?とまじめに心配してくれた人がかつていたが、とんでもない。機械での翻訳には限界があるということがわかって(そんなことは通訳者は皆、最初から知っていた)、通訳者の需要は減るどころか、ますます増えている。言語というものはすぐれて人間的なものであり、外国語学習も人間的要素こそがもっとも重要なのである。」(pp. 151-152)
また社会学者の上野千鶴子さんも翻訳の問題に関して「テクノロジーは合理的だが言語は非合理的である。それをニューメディアが解決してくれることなどなそうだ。」とおっしゃっています(『国際円卓議論・本の未来』1999年、大日本印刷株式会社ICC本部)。
「あの」鳥飼さんや上野さんも同じようなことを言っているということは、機械が翻訳者や通訳者の仕事を奪う可能性はない、と考えてもいいかも知れませんが、ご発言はともに1990年代後半。テクノロジーがさらに進歩した2015年、今どのようにこの問題を考えていらっしゃるのか、お二人に聞いてみたい気がしています。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.189」を改稿)
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