2015年8月2日日曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【35】

1. 【well-heeled】金持ちの
例)He's leading a well-heeled life.(彼は裕福な生活を送っている)

2. 【cosplay】
例)She's a cosplayer. (彼女はコスプレ好きだ)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

1つ目の表現については、the well-heeledとすると名詞化されて「富裕層」の意味に。well-offとほぼ同義ですね。人よりもかかとが高い、ことから比喩的にこのような意味になったのでしょう。ちなみにハイヒールを履くは"wear high heels"。2つ目の表現は、日本語英語のコスプレ=スチューム・プレイが「逆輸入」されて英語になったもの。ただし日本好きの外国人にしか通じないかもしれません。先日、実際にネイティブに使ってみたところ、「スーツなどのしっかりしたコスチュームを着て舞台(play)で演技すること?」と言われてしまったので、相手をみて使いましょう。。なお、コスプレ喫茶は"cosplay cafe"になります。


『ブラッカムの爆撃機』『かかしと召し使い』『エリオン国物語 I』等を翻訳されている法政大学教授(児童文学研究)で翻訳家の金原瑞人さんは、英文を訳す際のコツとして英文を「カメラワークで読んでいくといい」とアドバイスしています(「自然な日本語、息づく訳を」『朝日新聞』2006年12月6日)。例として“I met a beautiful girl who wore a hat and scarf set.”という文を挙げ、この文をカメラワークを意識して訳すと「女の子がいる。可愛い子だ。よく見ると帽子とスカーフを身につけている」となるとのこと。リズムのある、秀逸な訳に思えます。
 

カメラワークを意識して翻訳してみるとは考えたこともなかったなぁ。次回、カメラワークが生かせる翻訳事案が来た際にはぜひ試してみたいと思います。ちなみに金原さんの娘さんはあの『蛇にピアス』で芥川賞を受賞した金原ひとみさん。最近、その英語版「Snake and Earrings」を入手したので、早速半分ほど読みました。もちろん英訳の力量にも左右される部分はあるとは思いますが、それを差し引いても、読者を惹きつけて止まない卓抜な物語展開。良い意味での、蛙の子は蛙、です。その筆力に羨望の眼差し、です。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.203」を改稿)

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