2015年6月30日火曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【20】

1. 【with no strings attached】付帯条件なしで
例)This is a gift for you, with no strings attached! (下心なしの心からのプレゼントだよ!)

2. 【put the moves on 】ナンパする
例)She was putting the moves on me. (彼女は私を口説いてきた)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

2番目の表現との関連では、"Bad move!"という表現もあります。これは「止めておいたほうがいいよ!」という意味になります。あわせて覚えておきましょう。


前回も紹介した村上春樹・安西水丸著『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』(新潮文庫、1999年)の中に、「もっと人間味のある辞書があってもいいだろう」という村上さんのエッセイが収められています。そこで村上さんは「英文学者にしてベテラン翻訳家、飛田茂雄氏の労作『探検する英和辞典』(草思社)[中略]を便所に置いて、毎日ちょっとずつ読んで、長い期間をかけてしっかりと読破した」と述べます。そして「翻訳を志している方には、あるいは英語を読むことに興味を持っておられる方には是非とも便所[中略]に一冊常備していただきたい本であると思う」(p. 172)とおっしゃっています。

僕も小さな辞書を最初から読み始めて挫折した経験があるのですが、あのレベルまでの翻訳家になるにはやはり辞書丸ごと一冊ぐらい読まなければならないのかも知れませんね。一昔、辞書を1ページずつ読み、読み終わるごとにページを食べていって読破した人がいた、という話を聞いたことがありますが、そこまでする必要はないとは思いますが(笑)。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.178」を改稿)

2015年6月29日月曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【19】

1. 【take the edge off~】~を和らげる
例)Chocolate took the edge of my hunger. (チョコレートで飢えをしのいだ)

2. 【dog and pony show】つまらないもの
例)The TV program was a dog and pony show. (あのテレビ番組は退屈だった)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

edgeは尖った部分のことですから、それを取り除くtake offということで「和らげる」という意味になったのでしょう。一方で「犬とポニーのショー」が「つまらないもの」という意味になった経緯は、田舎でしばしみられるそのようなショーがつまらないから、とうい理由のようですが、それにしても犬とポニーがかわいそうですね。。


村上春樹・安西水丸著『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』(新潮文庫、1999年)を読みました。村上さんは多くの文藝翻訳を手掛けていらっしゃいますが、文中に「翻訳の本当の面白さは、優れたオーディオ装置がどこまでも自然音を追求するのと同じように、細かな一語一語にいたるまでいかに原文に忠実に訳せるかということに尽きる。[中略]僕は翻訳をやればやるほど、ますます痛切にそう感じるようになった」(「趣味としての翻訳」p. 71)という発言があります。本当におっしゃる通りだと思います。通訳もそうですが、元の文をまったく違う言語に置き換える際、どうやったら原文の意味を最大限に伝えることができるのか、本当にこれは至難の業ですし、経験と年数、勘とセンスがものを言うところではないでしょうか。

また、この前のページで村上さんは「翻訳が根っから好きだという人にそんなにひどい人はいないのではないか。」ともおっしゃっています。「忠実」さが求められる翻訳、自分はさておき(笑)、たしかにそれに従事する人にはあまり「ひどい人」はいないような気がするのですが、いかがでしょう?
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.176」を改稿)

2015年6月28日日曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【18】

1. 【on the never-never】分割払いで
例)I purchased the gadget on the never-never. (ボクはその小物を分割払いで購入した)

2. 【cat's pajama】最高のもの・人
例)Watching that premier movie was the cat's pajama. (あの名作がみれて感動ものだった)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

ちなみにnever-never landとすれば「桃源郷」。ピーターパンのネヴァーランドを思い浮かべていただければいいでしょう。cat's pajamaについては、bee's kneesという表現でも代用可能です。




西垣通さんの『こころの情報学』(ちくま新書)を読みました。西垣さんは「サイバースペースにおける英語単一言語主義」と「インターネット多言語主義」に言及し、ネット上では、短期的な効率の点から言うと国際共通語の英語を使用するのが好ましいが、英語だけを特権的に優先させる安易な規範化には反対し、言語空間を豊かにしてくれる多言語主義が大事ではないかとおっしゃっています。

ボクも西垣さんの意見に賛成です。でもネット上では英語でやらなければならない、でも英語帝国主義に陥らないように自文化の言葉も大切にしなければならない、 バランスを保つのはそう簡単なことではなさそうです。正答はなく、catch-22(板挟み)のなかでTPOに応じてバランスを見極めていくしかない、そう考えています。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.175」を改稿) 

2015年6月21日日曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【17】

1. 【clean out one's desk】解雇される
例)He was forced to clean out his desk and leave the company. (彼は意思に反して解雇され、会社を去った)

2. 【gain currency】流通する
例)The word has gained currency. (その単語は人口に膾炙した)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

clean outは「きれいにする」という意味で、clean out one's deskは「机をきれいにする」、そこから比喩的に「解雇される」ことを意味するようになったようです。一方、currencyは「通貨」の意味ですが、通貨は流通の手段。ここからgain currencyは「流通する」という意味になったのでしょう。


山手線の社内で、ある男性が車内で放映されていた英語学校のCMを見ながら、「機械が発達したら、通訳者も翻訳者もあがったりだねー」と話していました。でも人間同士のコミュニケーションには人間にしかわからない機微があり、機械が翻訳者や通訳者の仕事を奪うことはない、と確信しています。機械が人間を操作する時代、未来小説なんかではよく取り上げられるテーマですが、そんな時代は通翻訳者のみならず、だれにとっても来てほしくない未来、と言っていいのではないでしょうか?
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.170」を改稿)

2015年6月16日火曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【16】

1. 【cabin fever】室内に長いこといた結果、生じるストレス
例)I've got cabin fever after staying at home for several days. (数日家から一歩も出なかったのでストレスが溜まった)

2. 【metrosexual】オシャレだがゲイではない男性
例)He's so metrosexual. (彼はとてもメトロセクシュアルだ)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

最初のcabin feverは直訳すると「小屋の中で生じた熱」。転じて上のような意味になったのでしょう。metrosexualはmetropolitan(都会の)+heterosexual(異性愛者の)の合成語です。どちらも比較的単語から意味を想像しやすい語彙ですね。



ネイチャー・ライティングという分野があります。簡単に言えば、自然と人間の関係を描いた文学のこと。現代の代表的なネイチャー・ライターにア ニー・ディラード(Annie Dillard)という人がいます。この人の本のうち、『本を書く』(原題:The Writing Life)(訳:柳沢由実子/出版:株式会社パピルス)はさっぱりとした内容で、かつ読みやすい、隠れた名訳です。内容という意味でも、翻訳とい
う意味でも、ぜひご一読ください。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.170」を改稿)

2015年6月15日月曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【15】

1. 【mouse potato】パソコンを長時間いじっている人
例)The businessperson at the cafe is a mouse potato. (あのカフェのビジネスパーソンはずっとパソコンをいじっている)

2. 【himbo】容姿だけで中身のない男性
例)My ex turned out to be a himbo. (元彼は見かけ倒しだった)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

couch(ソファー)に寝そべってポテチを食べながら長時間テレビをみる人をcouch potatoと言いますが、1つ目のmouse potatoはそのcouch potatoをもじったものです。一方、2つ目のhimboはbimbo(容姿だけで中身のない女性)をもじったものです。最初の"h"は"he/his/him"の"h"に由来するのでしょうか、いずれにしても男性だったらhimboとは呼ばれたくないですね。

実を言うと、アメリカに住んでいてこの2つの言葉を実際に耳にしたことはないのですが、その理由は少し前に流行った言葉だからかも知れません。ボクがアメリカに来たのは2011年でしたが、上の2つの単語は「The Japan Times Weekly」の2006年7月15日号の記事でみかけたもので、アメリカで最もよく売れている辞書の1つ『Merriam-Webster Collegiate Dictionary』に同年掲載が決まったものでした。新単語は現代の世相が映し出される鏡です。タッチスクリーン・ブームの今、もはやmouse potatoではなくfinger potatoといった方がいいのでしょうか?!



朝日新聞の2006年7月4日(火)の「単眼複眼」では、「翻訳文学嫌いのアメリカ孤立脱却へ日本が一役」と題する特集が組まれていました。その記事では、アメリカは「文化的辺境」で「文化的孤立」の状態にあると看做されています。その理由は、同国では翻訳出版があまり進んでいないため、とのこと。 でも2015年の今日、アメリカの本屋に行くと、日本の作品含め、多くの翻訳作品が店先に並べられている印象があります。

また同記事では、「30代半ば以下の世代は日本のアニメや漫画、大人になっては村上春樹を通して、アメリカ的な自由とは異なる日本的な自由を知った。ユダヤ・キリスト 教的な一元論ではなく、万華鏡のように断片的な宗教観。矛盾を受け入れ、共生する文化です。」いう東京大学講師のローランド・ケルツさんの言葉が引用され ています。「インターネットで文化のスピードが速くなった。アメリカ人を待たせてはいけない。村上春樹の次の世代を紹介しないといけない。」。その後、現在にいたるまで、村上のように世界で通用する「次の世代」は登場していないように思います。ポスト村上春樹は誰になるのでしょうか。その前に、個人的には、村上にノーベル文学賞をとってもらいたいですが!
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.165」を改稿)

2015年6月13日土曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【14】

1. 【beer-gutted】ビール腹
例)The old guy is beer-gutted. (あのおじさんは太鼓腹だ)

2. 【hard cheese】(嫌味で)お気の毒様
例)Hard cheese! (ご愁傷さま!)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

1番目の単語のgutはハラワタのことで、gutを動詞として使い、それにbeerをつけることで出来上がった単語です。日本語でも「ビール腹」といいますから、日本語・英語で共通した表現になっており、興味深いですね。英語が日本語に導入されたのか、あるいは日本語の表現が英語になったか、それとも他に理由があるのでしょうか。2番目の表現については、もともと軟らかかったチーズが固くなってしまって美味しくなくなったことから来た表現かな、と想像してみましたが、由来はさておき、そのような仮の理解をしていれば覚えやすいですね。


2006年4月24日付朝日新聞の「きょうの論点」では、元・立教大学教授(現・順天堂大学教授)で元同時通訳者の鳥飼玖美子氏と元国際教養大学長の故中嶋嶺雄氏が小学校英語について議論を戦わせていました。鳥飼氏は反対、中嶋氏は賛成の立場を採っています。私は鳥飼氏と同じ反対派。その理由は、小学校時代はやはり、よい日本語の文章で書かれたよい小説や古文、漢文を読むなどして日本語力を鍛えることに集中した方がいいと考えるためです。日本語力はあらゆる語学学習の基礎であり、英語は中学校からで十分だと思います。もし敢えて小学校英語を実施するのであれば、発音に特化した形で行うのがいいのでは、と思っています。発音の習得は早ければ早いほどいいので、その基礎さえできていれば、語彙を追加することは後の段階でいくらでもできます。これが学校教育を主軸として日英の通訳者になったボクの意見ですが、皆さんはどう思われますか?
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.163」を改稿)

2015年6月11日木曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【13】

1. 【hot seat】苦しい立場
例)The con artist is on the hot seat. (そのペテン師は苦境に立たされている)

2. 【on the ropes】絶体絶命で
例)Our business is on the ropes. (我々の事業は青色吐息だ)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

「hot seat」は直訳すれば「焼けるように熱い席」。そのような席に座っている・座らされている、ということは苦しい立場にある、ってことですよね。一方、on the ropesは、危なっかしく綱渡りをしている様子に由来するのか、それともボクシングでロープ際に追い詰められている様子に由来するのかは分かりませんが、いずれにしてもピンチな状況にいることは変わりなく、何となく意味を想像することができるかも知れません。



クールジャパンの影響か、「カワイイkawaii」は国際的に流通した日本語となりました。一昔前ですと、国際的に通用する日本語の代表格といえば「カロウシ」。こういった国際的流行語がその時々の日本を象徴しているとしたら、「過労死」から「可愛い」への移行は好ましい推移なのかも知れません。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.161」を改稿)

2015年6月9日火曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【12】

1. 【go a long way】長持ちする
例)This pen has gone a long way. (このペンは長持ちしている)

2. 【self-made】独立独歩の
例)I'm a self-made man! (オレは叩き上げの人間なんだ!)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

go a long wayには「役立つ」という別の意味もあります。"Smiling goes a long way."と言えば、「スマイルは結構効果がある」となりますので併せて覚えておきましょう。


英語の“goose”(雁)には「とんま・間抜けな人」の意味があります。また“lame duck”(歩行が困難なアヒル)には「無能な政治家、破産者、赤字企業」の意味がありますが、鳥好きの友人に言わせると「鳥がかわいそうでたまらない」そうです。どうして一部の鳥にはこのようなマイナスの意味が付いてしまったのでしょうか?ご存知の方、不憫な友人のためにもぜひご教授を!
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.160」を改稿)

2015年6月8日月曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【11】

1. 【free-wheeling】自由な
例)We had free-wheeling discussions. (我々はブレストをした)

2. 【champion】(形容詞で)すばらしい
例)That is so champion! (それは卓抜だ!)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

今回の2つの表現も、「自由に回転する車輪のような」→「自由な」、「(名詞で)優勝者」→「(形容詞で)すばらしい」と、ともに何となく意味が想像できますね。



桜井亜美さんのデビュー作で映画化もされた『イノセント ワールド』(幻冬舎)。タイトルを始めとし、本作品はカタカナで溢れています。主人公の名前でさえ「タクヤ」と「アミ」で、これを目にしたときの最初の印象は「まるで翻訳小説みたい」。グローバル化のこの時代、日本人の名前までカタカナ化されてしまうのでしょうか。ミナサン、ドウカンガエマスカ?
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.157」を改稿)

2015年6月7日日曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【10】

1. 【sea change】大転換
例)The innovation brought about a sea change in the market segment. (その革新的アイディアは市場に大きな変化をもたらした)

2. 【get wind of】嗅ぎつける
例)The police got wind of the criminal's whereabouts. (警察は犯人の居場所に関する裏情報を入手した)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

今回の2つの表現は、「海のような大きな変化」→「大転換」、「~の風を感じる」→「嗅ぎつける」と、ともに何となく意味が想像できますね。



翻訳の研究をしている友人の話によると、1909年に日高柿軒(しけん)が翻訳した『フランダースの犬』では、「ネロとパトラッシュ」が何と「清(きよし)と斑(ぶち)」になっているそうです。他にも1911 年の『青い鳥』では「チルチルとミチル」が「近雄と美知子」に、1925 年の山本憲美(のりよし)が翻訳した『楓物語』(『アルプスの少女ハイジ』のこと)では「ハイジ、ペーター、クララ」が「楓、弁太、久良子」になっているそうです(最後の2作品の名前は当て字のようですね)。

このように翻訳作品の登場人物の名前を通時的(歴史的)に眺めていくのは非常に興味深く、友人の今後の研究を楽しみにしています。それにしても、現代の感覚からすると、パトラッシュがブチだとピンと来ませんが。。笑。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.154」を改稿)

2015年6月6日土曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【9】

1. 【cafe-goer】カフェによく行く人
例)I'm a cafe-goer. (僕はカフェ好きだ)

2. 【incognito】身分を隠して
例)The president visited the country incognito. (大統領はお忍びでその国を訪れた)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

最初のgoerは便利な言葉です。museum-goer(美術館好き)、sea-goers(海好き)、bar-goer  (バーの常連)、movie-goer(映画好き)など、無限に単語を作り出すことができます。


橋本治さんの手による『桃尻語訳 枕草子』(1987年、河出書房)を再読しました。これは『枕草子』の現代語訳なのですが、本人が「まえがき」で述べているとおり、「過激な翻訳」です。

例えば有名な第一段は次のように訳されています。「春って曙よ! だんだん白くなってく山の上の空が少し明るくなって、紫っぽい雲が細くたなびいてんの!」(『桃尻語訳 枕草子(上)』p. 17)。 驚きの超訳ですね。

2015年の今、訳し直すとしたらこうなるでしょうか。「春の曙ってやばくね? 白くなってく山の上の空がちょっと明るくなって、紫っぽい雲が細くたなびいてね?」――お粗末さまでした。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.152」を改稿)

2015年6月5日金曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【8】

1. 【big wig】大物
例)The actor is a big wig. (あの俳優は大物だ)

2. 【push the envelope】限界に挑む
例)I pushed the envelope to achieve the goal. (目標達成に向けて120%の力を発揮した)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

ちなみに最初のbig wigですが、直訳は「大きなカツラ」。イギリスでは昔、裁判官などの要職についていた方たちが大きなカツラをかぶっていたことから、このような意味になったそうです。


翻訳につまったとき、打開策の1つとしてお風呂に入ることにしています。真偽のほどは定かではありませんが、水は思考を流動化すると聞いたためです。実際、水のお陰か、はたまた場所を変えて気分転換できたためかは分かりませんが、いい訳が浮かんだこともあります。皆さんもよかったらお試しあれ。(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.150」を改稿)

2015年6月4日木曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【7】

1. 【facelift】変革
例)The CEO gave his company a facelift. (CEOは自社変革に取り組んだ)

2. 【flying start】好調な滑り出し
例)The tennis player got off to a flying start by winning first four games in a row in the first set. (そのテニス選手は第1セットでいきなり4ゲーム連取し、好調なスタートを切った)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。
 

今回取り上げたfaceliftは、ご存じのように、もともとは美容整形の意味。そこから意味が派生して、「変革」という意味が生まれたと考えられます。

またflying startは、日本語でも「フライング」と言うように、「不正スタート」を意味しますが、「好調な滑り出し」というよい意味にもなるんですよね。こうだからこそ、ボクの言語への興味は尽きないのです。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.148」を改稿)

2015年6月2日火曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【6】

1. 【sport】(動詞で)見せびらかす
例)He sported me around his house. (彼は僕に自宅をみせびらかした)

2. 【white elephant】厄介な物
例)The ornament is a white elephant. (あの装飾品は無用の長物だ)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

ちなみにwhite elephantの語源についてはアルクのウェブサイト(http://www.alc.co.jp/)にこうありました。「【語源】昔のタイでは、ホワイト・エレファント(白い象)は珍しいので神聖な動物と見なされており、それを捕まえると王様に献上され、王様だけがそれに乗ることができた。ところが、エサ代が高くつくという問題があった。そこで王様は、気に入らない家来にホワイト・エレファントを与えた。ところが、それを使うことも、乗ることも、処分することも許されず、ただエサ代がかさむばかりで破産に追い込まれた」。なるほど、ですね。
 


私はHarukinian(村上春樹さんのファン)です。村上さんの作品は世界各国で翻訳されていますが、村上さんについて、鋭い時代の読みを常にみせ続ける文芸評論家 兼 大学教授の加藤典洋さんは「もう村上は、世界のMURAKAMIになってしまった。『NORWEGIAN WOOD』と『ノルウェイの森』は同じ作品ではない。もはや、『ノルウェイの森』が本物で、英訳はその写し絵だというのではない。」(朝日新聞、2006年4月25日)と喝破しています。

つまり翻訳作品が別個のオリジナルの作品になってしまったということですね。グローバルな時代にはこういう面白い逆転現象が起きるようです。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.146」を改稿)