2015年7月28日火曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【34】

1. 【firebrand】扇動者
例)The dictator is spreading firebrand politics to the public.(その暴君は国民に扇動政治を広めている)

2. 【out of touch】現実を把握していない
例)She was out of touch with the news. (彼女はそのニュースを知らなかった)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。


敬愛する村上春樹さんは、あるエッセイで誤訳について述べていて、「もしそれが『誤訳』であるのなら、僕は進んでその『誤訳』を背負って、それに殉じてもいいとさえ思っている」とおっしゃっています(「俺と僕と私」『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』、新潮文庫、p. 300)。

やはり村上さんぐらいの一流の翻訳家ともなると「誤訳とともに殉死する」くらいの度胸が必要なのですね。ところで気になるのが、村上さんが「誤訳」と、誤訳の文字を鍵括弧に入れている点です。英語は色々な日本語に翻訳することができ、翻訳者が100人いれば100通りの訳が生まれます。だとしたらいったいどこまでが「正しい翻訳」で、どこからが「誤訳」なのでしょうか。これは簡単には解けない難問のような気がしています。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.202」を改稿)

2015年7月26日日曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【33】

1. 【honcho】リーダー
例)He's the head honcho of the organization.(彼は組織のトップだ)

2. 【have teeth】効力を持つ
例)This contract has no teeth. (この契約書はざるだ)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

1つ目の表現については、日本語の「班長」に由来する単語です。以前、「かわいいkawaii」や「過労死karoshi」が英単語としてそのまま使用されている、という話をしましたが、「班長」もそうだったんですね。


「The Japan Times Weekly」の2006年9月30日号(6面)によると、村上春樹さんが短編集"Blind Willow, Sleeping Woman"でThe Frank O'Conner International Short Storyを受賞されたとのこと。ファンの僕としては嬉しい限りですが、同記事で村上さんが"Novelist and translator"と紹介されていました。

サリンジャーによる不朽の名作『ライ麦畑でつかまえて』の新訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』などを手がけている村上さんですが、小説家としてだけでなく、翻訳家としても国際的に認知されているんですね。以前、何かの媒体で村上さんは「翻訳をすることは小説を執筆する際によい影響がある」とおっしゃっていましたが、逆に翻訳者が小説家になった例は寡聞にして知りません。最近、『嵐が丘』の新訳を担当された鴻巣友季子さんがエッセイ集を出していらっしゃいますが、小説ではないようです。どなたか翻訳者が小説家になった例をご存じでしたら教えてください。

(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.201」を改稿)

現役通訳者によるお役立ち英語表現【32】

1. 【with a grain of salt】(話を聞く際に)割り引いて(聞く、考える)
例)We should take her story with a grain of salt.(彼女の話は割り引いて聞いたほうがいい)

2. 【(up)on the horns of a dilemma】ジレンマに陥って
例)I found myself impaled upon the horns of dilemma. (僕はどっちつかずの状態にあった)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

最初の表現は、塩気のない物(=信用できない話)はそのままでは食べられないので一粒の塩を加えて食べる、ということに由来しているようです。2つ目の表現は直訳すると「ジレンマの角に乗って」。そこから派生して「ジレンマに陥って」という意味になったようですね。同じ意味で"I'm in a catch-22 situation."とも言えます。hornを使った他の表現には"I'm on the horn."(電話中です)があります。


桐野夏生さんの著された『OUT』という小説が、アメリカを始めとして国際的に注目を浴びているそうです。その桐野さんの作品が翻訳されて海外に流通される際に、「言葉の壁」に加えて「文化の壁」があったようです。例えば、子どもの誘拐をテーマにした作品『柔らかな頬』はアメリカでの出版が見送られた、と桐野さんはインタビューでおっしゃっています。(『Asahi Weekly』2006年10月29日号、p. 8。インタビューは中村紀子。)

単にすばらしい作品であればそのまま翻訳されて海外に流通する、という訳ではないんですね。「社会的影響」と「言論の自由」との間のせめぎ合いがあるようです。ちなみに『OUT』の翻訳版は手元にあるのですが積読状態になっています。早速ページを繰ってみることにします。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.200」を改稿)

2015年7月24日金曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【31】

1. 【big-ticket】高額な
例)I made a big-ticket purchase.(私は高額なモノを1点買いした)

2. 【down to the wire】仕上げにかかって
例)We're getting down to the wire. (作業は最終局面を迎えている)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

1つ目の表現は、チケットのなかでも大きな(=高額な)チケット、というところからこのような意味になったのでしょうか。



小林智香子さんは、野中柊『ヨモギ・アイス』と藤野千夜『おしゃべり会談』を英訳された翻訳家。その際に出くわした翻訳の難しさについて、小林さんは次のように述べています(『Asahi Weekly』2006年10月29日号、p. 12)。

One of the story characters eats “Peyang sauce yakisoba” (ぺヤングソース焼きそば). Japanese can immediately grasp the certain nuance these words have, but it might be difficult for native English speakers to understand. “I always considered whether it is worth explaining in sentences at a risk of cutting the flow of a composition or just leave it as it is and ask the reader to grasp the situation.”
 

小難しい言い方をすれば「翻訳不可能性」についての文章ですが、小林さんの英訳時の苦労が伝わってくる文章です。ぜひ読んでみてください。
 (まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.199」を改稿)

2015年7月23日木曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【30】

1. 【root and branch】徹底的に
例)The specialist eradicated the disease root and branch.(専門家はその疾病を根絶した)

2. 【couch doctor】精神科医
例)The child sees a couch doctor on a weekly basis. (その子は1週間に1度、セラピーを受けている)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

root and branchは直訳すれば「根っこと枝」。根っこから枝まで木の全体を表現することで、「徹底的に」という意味になったと考えられます。2つ目の表現は、精神病学の始祖フロイトがカウチを使って治療を行ったことから由来している表現と推察されます。


戸田奈津子さんのご尽力によって人口に膾炙した字幕翻訳は、その性質上、字数の制限があります。村上春樹さんは字幕翻訳を「俳句とかコピーライティングの世界に近い作業」と喝破しています(「ダーティ・ハリー問題」『村上朝日堂』新潮文庫、p. 182)。ボクのとってコピーライターは昔からなりたいと思っていた憧れの職業であり、加えて俳句ではありませんが短歌をかじっていることもあって、字幕翻訳は一度チャレンジしてみたい分野です。

映画のなかで、短くてインパクトがあり、かつ一瞬で理解できる字幕翻訳に出くわすたびに、嘆息しているのはボクだけでしょうか?

 (まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.198」を改稿)

2015年7月14日火曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【29】

1. 【from ear to ear】口を大きく開いて
例)The lady smiled from ear to ear.(その女性は満面の笑みを浮かべた)

2. 【racket】いかがわしい商売
例)He's involved in criminal rackets. (彼は犯罪に当たるようないかがわしい商売に関わっている)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

1つ目の表現は、口を大きく横に開くと、片耳からもう片方の耳へ広げたようにみえることに由来しているようです。2つ目のracketについては、ついテニスや卓球のラケットを思い起こしてしまいますが、上記のような意味もあること、覚えておきましょう。


第23回で、若い女性が主人公の物語、例えば『ブリジット・ジョーンズの日記』や『The Sex and the City』といった作品をChick Lit(chickのliterature、つまり若い女性の文学)と呼ぶ、と紹介しましたが、インドネシアでもこのChick Litが流行っているようです(2006年10月14日号『The Japan Times Weekly』、第19面)。厳しい検閲が敷かれていたスハルト政権が終焉を迎え、人びと、特に女性たちは以前に比べて自由に性愛を語るようになってきています。女性の性愛が明け透けに語られるChick Lit、同国でのその興隆は、女性たちの変貌(解放)と相関した、興味深い動向だと言えます。(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.196」を改稿)

2015年7月13日月曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【28】

1. 【behemoth】巨大なもの
例)She works for a corporate behemoth as an executive.(彼女は巨大企業のエグゼクティブだ)

2. 【slush fund】不正資金
例)The deal was done through slush fund. (その取引は不正資金を使って行われた)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

最初のbehemothはもともと、聖書に登場するビヒモスのことで、ヨブ記に出てくるカバのような巨獣。派生して「巨大なもの」全般を意味するようになったのでしょう。2つ目のslushはslash(斜線)ではないので綴りに気をつけて下さい。ちなみにslush avalancheは「雪崩」を意味します。


2006年9月10日号「Asahi Weekly」に掲載されていた「辞書GAKU事始め」(磐崎弘貞氏)によると、日本初の外国人英語教師とされているラナルド・マクドナルド(Ranald MacDonald)は、当時鎖国をしていた1848年、難破を装って日本に入り込みます。しかし捕まってしまい、7カ月間の監禁を経験します。しかしその後、長崎奉行に見込まれたマクドナルドは、通詞(当時の通訳者を指す語)に英語を教え始めます。そのマクドナルドからヒントを得た外国語習得のコツとして磐崎氏は次の4つを挙げています。

(1)異文化に対する知的関心

(2)読解と並行して、口語/リスニングの重視
(3)新しく仕入れた知識はメモする
(4)英語辞書の最大限の活用

「温故知新」ではないですが、マクドナルド日本上陸から150年以上経つ現代でも、(1)~(4)のいずれのコツも英語学習のヒントになりそうです。ボクも特に(4)は参考にしてみたいと思いましたし、皆さんも気になるものがあれば試してみてください。

(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.194」を改稿)

2015年7月12日日曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【27】

1. 【on a tear】大騒ぎして
例)The guys went on a tear.(奴らはどんちゃん騒ぎをしていた)

2. 【buzzword】流行語
例)He uses lots of buzzwords. (彼ははやり言葉をよく使う)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

最初のフレーズにあるtearはもちろん「涙」の意味ですが、on a tearになると全然違う意味になるんですね。2つ目のbuzzwordですが、最近、ボクの住むアメリカで耳にしたbuzzwordはeye candy。直訳すれば「目にとってのキャンディー」ですが、転じて「目の保養になるようなステキな人」という意味だそうです。


ボクが生業(なりわい)とする通翻訳は日本語能力がポイントになってくるので、言葉を武器とする社会学者の本をよく読みます。最近読んだ社会学系の本の中で、内容もさることながら、その日本語のセンスに感動したのが上野千鶴子さんの『生き延びるための思想』(2006年、岩波書店)。特に冒頭の「はじめに-あげた手をおろす」と、最後の「あとがき-『祈り』にかえて」は圧巻で、言葉がこれほど人を感動させるものかと感じさせられました。社会学に興味のない方でも、日本語の美しさ・力強さという観点から、ぜひ読んでみてください。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.192」を改稿)

2015年7月7日火曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【26】

1. 【fare well】うまくいく例)The stock market is faring well. (株式市場は好調だ)

2. 【in the bag】手中に収めて
例)I have two trophies in the bag. (私は2度、優勝している)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。


1つ目のfare wellは、一語にすればfarewell。しかしfarewellの意味は「別れの言葉」「送別会」などであり、fare wellとはまったく異なる意味になります。

2つ目のin the bagはunder one's beltでも言い換えられます。つまりI have two trophies under my belt.とも言えます。また、in the bagには他にも「解決して」「酔っぱらって」といった意味もあります。Everything is in the bag. と言えば「すべて解決済みだよ」、I’m in the bag.と言えば「酔っちゃった」となります。ちなみに、What's in the bag?と言えば「元気でやってる?」の意味にもなります。


村上春樹さんが観ていたヴェトナム戦争を主題とした映画で、次のような場面がありました。あるパイロットが「どのくらいヴェトナムにいた?」と聞かれて“Two turns and a half”と答えていたシーンです。その日本語の字幕は「二往復半」となっていたそうですが、村上さんはヴェトナム戦争の“one turn”は二年とどこかで読んで知っていたから、「二期半」と訳すべきであると気が付いた、とおっしゃっています(「ヴェトナム戦争問題」『村上朝日堂』新潮文庫、p. 176)。あるいは「5年」と訳してもいいかも知れませんね。

村上さんのエッセイは約20年前に書かれており、今はインターネットがあるので、上記のような疑問はすぐに解決できるようになりました。しかし、翻訳の「カン」みたいなものは常日頃からアンテナを高くすることで鍛えておかなければなりません。そのようにしていると様々な事象の背景知識(雑学?)が増えるため、英語自体の理解度も格段にアップするでしょう。背景知識の習得も外国語を学ぶコツかも知れませんね。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.191」を改稿)

2015年7月6日月曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【25】

1. 【theater】戦域
例)The place was a theater of WWI. (その土地は第一次世界大戦の戦場だった)

2. 【heavy hand】締めつけ
例)The ruler ruled the country with a heavy hand. (統治者は専制政治を敷いた)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

Theaterというとつい「映画館」を思い浮かべてしまいますが、「戦域」という 意味もあるんですよね。ほかにも「階段教室」(確かに映画館みたいですよね)や「劇作品」といったような意味もありますので、気になる方は辞書を確認してみてください。芋づる式勉強法も英語学習には役立ちます。


第17回で、機械が翻訳者や通訳者の仕事を奪う可能性はない、と述べましたが、元同時通訳者で、現在大学で教鞭をとっている鳥飼玖美子さんも同様のことをおっしゃっていました(『異文化をこえる英語 日本人はなぜ話せないか』1996年、丸善)。以下に引用したいと思います。

「コンピューターが発達して自動翻訳機械ができたら、通訳者は失業するんじゃないですか?とまじめに心配してくれた人がかつていたが、とんでもない。機械での翻訳には限界があるということがわかって(そんなことは通訳者は皆、最初から知っていた)、通訳者の需要は減るどころか、ますます増えている。言語というものはすぐれて人間的なものであり、外国語学習も人間的要素こそがもっとも重要なのである。」(pp. 151-152)

また社会学者の上野千鶴子さんも翻訳の問題に関して「テクノロジーは合理的だが言語は非合理的である。それをニューメディアが解決してくれることなどなそうだ。」とおっしゃっています(『国際円卓議論・本の未来』1999年、大日本印刷株式会社ICC本部)。


「あの」鳥飼さんや上野さんも同じようなことを言っているということは、機械が翻訳者や通訳者の仕事を奪う可能性はない、と考えてもいいかも知れませんが、ご発言はともに1990年代後半。テクノロジーがさらに進歩した2015年、今どのようにこの問題を考えていらっしゃるのか、お二人に聞いてみたい気がしています。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.189」を改稿) 

2015年7月4日土曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【24】

1. 【kingpin】影響力がある人
例)The politician is a kingpin. (あの政治家は大物だ)

2. 【tweedy】カジュアルな
例)The businessman always wears tweedy. (あのビジネスマンはいつもカジュアルウェアだ)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。


kindpinはボウリングのヘッドピンのこと。ここから派生して「大物」という意味になったのでしょう。一方、tweedyはtweedという名詞から派生した形容詞で、tweedは服の生地のツィードのこと。ツィードはスーツなどの生地に比べたらカジュアルであることから「カジュアルな」という意味になったと考えられます(少なくともそう覚えておけば忘れませんよね)。


アメリカの哲学者であるクワインは、二言語間での翻訳は全く別の趣旨の文に翻訳されうるのであり、どちらが正しいかについては答えがない、どちらも正しいと言っています。この問題は「翻訳の不確定性」と呼ばれていますが、翻訳という行為は、単に言語間の言葉の置き換えという実践を超えた、哲学者も取り組む深いテーマのようです。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.188」を改稿)

2015年7月3日金曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【23】

1. 【cliff-hanger】ハラハラさせるもの
例)The tennis match was a cliff-hanger. (そのテニスの試合は大接戦だった)

2. 【hard sell】押し売り
例)That's a hard sell! (そんな無茶な!)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

1つ目の表現は、cliffとhangerの2つの単語の合成語で、崖(cliff)からぶら下がった状態(hanger)からこのような意味になったようです。1993年に封切りされた米仏共同制作の映画「クリフハンガー」をご覧になった方は、主人公が崖からぶら下がっている映画のシーンを思い出せば首肯、と言う感じでしょうか。


小・中学時代を米国で過ごし、夫・石井一久のドジャース入団に伴ってロサンゼルスに移住したフリーアナウンサーの木佐彩子さんは、以前どこかで「海外のドラマは語学を学ぶのにぴったり」と話していました。

ボクも海外ドラマが好きで、一時はよくみていました。木佐さんがおっしゃるように英語力の向上にも役立ちうえに、舞台となっている国と日本との文化的な違いもよくわかります。おススメはちょっと古いですが「The West Wing」。邦題は「ホワイトハウス」になっていますが、その理由は、ホワイトハウスの中枢が西棟(west wing)にあるためです。ほかにも無数の作品がでているので、ハマれるものを1つみつけて、趣味を兼ねた英語の勉強をしてみてください。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.183」を改稿)

2015年7月2日木曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【22】

1. 【on tenterhooks】ピリピリしている
例)My daughter is being kept on tenterhooks. (娘は最近ずっと気を張り詰めている)

2. 【on the horizon】近い将来に
例)There's a sign of an economic recovery on the horizon. (経済回復の兆しがみえる)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。


2つ目の表現と関連して、clouds on the horizonを取り上げておきたいと思います。悪いことが起こりそうなときに使う表現で、There seems to be clouds on the horizon.と言えば、「何か悪いことが起きそうだ」となります。またon the horizonの同義語としてdown the line、moving forward、going forward、in the near future、in the immediate futureが挙げられます。表現の幅を広げるためにも、これらも一緒に覚えておきましょう。




2006年8月26日付『The Japan Times Weekly』の「British adults look to mum and dad for extra money」という記事によると、イギリスの25歳以上の若者で親に金銭的に依存している人のことを「BOMAD」(Banking On Mum And Dad、つまり、母と父を当てにすること)と呼ぶそうです。日本でも一時、「パラサイト」という言葉が流行りましたが、パラサイトたちも団塊の世代に当たる親の潤沢な資産に依存しており、BOMADはそのイギリス版と言っていいでしょう。

また同記事は、BOMADの原因の1つとして、若者の「”Spend now, save later”culture」を指摘します。このフレーズは直訳すると「『消費は今、貯蓄は後』文化」。でも超訳(?)で「キリギリス文化」と訳してもいいかも知れませんね。



それにしてもこのBOMAD、nomad(遊牧民)とかけているのでしょうか。9年後の今、まだこの言葉がイギリスで流通しているのか、気になるところです。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.181」を改稿)

2015年7月1日水曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【21】

1. 【make a killing】大儲けする
例)I made a killing in business. (事業が成功し、ぼろ儲けした)

2. 【play musical chairs】権力争いをする
例)I had to play corporate musical chairs. (会社で権力闘争に巻き込まれた)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。





2つ目のplay musical chairsはもともと「椅子取りゲームをする」という意味で、そこから派生して「権力争いをする」という意味になったのでしょう。  

若い女性が主人公の物語、例えば『ブリジット・ジョーンズの日記』や『The Sex and the City』(もともとは本として出版され、その後テレビシリーズ化)などをChick Lit(chickのliterature、つまり若い女性の文学)と呼ぶそうです。chickが差別用語に当たるのでは、という疑問はさて置き、このようなジャンルに興味のある方は原書で読んでみてはいかがでしょうか。英語のスキルアップにつながるうえ、興味があるので長続きすると思います。興味関心は継続のもと、そして継続は力なり。ぜひ1度お試し下さい。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.179」を改稿)