2015年7月26日日曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【32】

1. 【with a grain of salt】(話を聞く際に)割り引いて(聞く、考える)
例)We should take her story with a grain of salt.(彼女の話は割り引いて聞いたほうがいい)

2. 【(up)on the horns of a dilemma】ジレンマに陥って
例)I found myself impaled upon the horns of dilemma. (僕はどっちつかずの状態にあった)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

最初の表現は、塩気のない物(=信用できない話)はそのままでは食べられないので一粒の塩を加えて食べる、ということに由来しているようです。2つ目の表現は直訳すると「ジレンマの角に乗って」。そこから派生して「ジレンマに陥って」という意味になったようですね。同じ意味で"I'm in a catch-22 situation."とも言えます。hornを使った他の表現には"I'm on the horn."(電話中です)があります。


桐野夏生さんの著された『OUT』という小説が、アメリカを始めとして国際的に注目を浴びているそうです。その桐野さんの作品が翻訳されて海外に流通される際に、「言葉の壁」に加えて「文化の壁」があったようです。例えば、子どもの誘拐をテーマにした作品『柔らかな頬』はアメリカでの出版が見送られた、と桐野さんはインタビューでおっしゃっています。(『Asahi Weekly』2006年10月29日号、p. 8。インタビューは中村紀子。)

単にすばらしい作品であればそのまま翻訳されて海外に流通する、という訳ではないんですね。「社会的影響」と「言論の自由」との間のせめぎ合いがあるようです。ちなみに『OUT』の翻訳版は手元にあるのですが積読状態になっています。早速ページを繰ってみることにします。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.200」を改稿)

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