2015年7月7日火曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【26】

1. 【fare well】うまくいく例)The stock market is faring well. (株式市場は好調だ)

2. 【in the bag】手中に収めて
例)I have two trophies in the bag. (私は2度、優勝している)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。


1つ目のfare wellは、一語にすればfarewell。しかしfarewellの意味は「別れの言葉」「送別会」などであり、fare wellとはまったく異なる意味になります。

2つ目のin the bagはunder one's beltでも言い換えられます。つまりI have two trophies under my belt.とも言えます。また、in the bagには他にも「解決して」「酔っぱらって」といった意味もあります。Everything is in the bag. と言えば「すべて解決済みだよ」、I’m in the bag.と言えば「酔っちゃった」となります。ちなみに、What's in the bag?と言えば「元気でやってる?」の意味にもなります。


村上春樹さんが観ていたヴェトナム戦争を主題とした映画で、次のような場面がありました。あるパイロットが「どのくらいヴェトナムにいた?」と聞かれて“Two turns and a half”と答えていたシーンです。その日本語の字幕は「二往復半」となっていたそうですが、村上さんはヴェトナム戦争の“one turn”は二年とどこかで読んで知っていたから、「二期半」と訳すべきであると気が付いた、とおっしゃっています(「ヴェトナム戦争問題」『村上朝日堂』新潮文庫、p. 176)。あるいは「5年」と訳してもいいかも知れませんね。

村上さんのエッセイは約20年前に書かれており、今はインターネットがあるので、上記のような疑問はすぐに解決できるようになりました。しかし、翻訳の「カン」みたいなものは常日頃からアンテナを高くすることで鍛えておかなければなりません。そのようにしていると様々な事象の背景知識(雑学?)が増えるため、英語自体の理解度も格段にアップするでしょう。背景知識の習得も外国語を学ぶコツかも知れませんね。
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.191」を改稿)

0 件のコメント:

コメントを投稿