2015年6月15日月曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【15】

1. 【mouse potato】パソコンを長時間いじっている人
例)The businessperson at the cafe is a mouse potato. (あのカフェのビジネスパーソンはずっとパソコンをいじっている)

2. 【himbo】容姿だけで中身のない男性
例)My ex turned out to be a himbo. (元彼は見かけ倒しだった)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

couch(ソファー)に寝そべってポテチを食べながら長時間テレビをみる人をcouch potatoと言いますが、1つ目のmouse potatoはそのcouch potatoをもじったものです。一方、2つ目のhimboはbimbo(容姿だけで中身のない女性)をもじったものです。最初の"h"は"he/his/him"の"h"に由来するのでしょうか、いずれにしても男性だったらhimboとは呼ばれたくないですね。

実を言うと、アメリカに住んでいてこの2つの言葉を実際に耳にしたことはないのですが、その理由は少し前に流行った言葉だからかも知れません。ボクがアメリカに来たのは2011年でしたが、上の2つの単語は「The Japan Times Weekly」の2006年7月15日号の記事でみかけたもので、アメリカで最もよく売れている辞書の1つ『Merriam-Webster Collegiate Dictionary』に同年掲載が決まったものでした。新単語は現代の世相が映し出される鏡です。タッチスクリーン・ブームの今、もはやmouse potatoではなくfinger potatoといった方がいいのでしょうか?!



朝日新聞の2006年7月4日(火)の「単眼複眼」では、「翻訳文学嫌いのアメリカ孤立脱却へ日本が一役」と題する特集が組まれていました。その記事では、アメリカは「文化的辺境」で「文化的孤立」の状態にあると看做されています。その理由は、同国では翻訳出版があまり進んでいないため、とのこと。 でも2015年の今日、アメリカの本屋に行くと、日本の作品含め、多くの翻訳作品が店先に並べられている印象があります。

また同記事では、「30代半ば以下の世代は日本のアニメや漫画、大人になっては村上春樹を通して、アメリカ的な自由とは異なる日本的な自由を知った。ユダヤ・キリスト 教的な一元論ではなく、万華鏡のように断片的な宗教観。矛盾を受け入れ、共生する文化です。」いう東京大学講師のローランド・ケルツさんの言葉が引用され ています。「インターネットで文化のスピードが速くなった。アメリカ人を待たせてはいけない。村上春樹の次の世代を紹介しないといけない。」。その後、現在にいたるまで、村上のように世界で通用する「次の世代」は登場していないように思います。ポスト村上春樹は誰になるのでしょうか。その前に、個人的には、村上にノーベル文学賞をとってもらいたいですが!
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.165」を改稿)

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