2015年6月29日月曜日

現役通訳者によるお役立ち英語表現【19】

1. 【take the edge off~】~を和らげる
例)Chocolate took the edge of my hunger. (チョコレートで飢えをしのいだ)

2. 【dog and pony show】つまらないもの
例)The TV program was a dog and pony show. (あのテレビ番組は退屈だった)

今日は上の2つを取り上げました。機会があれば使ってみて、自分のものにしてみましょう。

edgeは尖った部分のことですから、それを取り除くtake offということで「和らげる」という意味になったのでしょう。一方で「犬とポニーのショー」が「つまらないもの」という意味になった経緯は、田舎でしばしみられるそのようなショーがつまらないから、とうい理由のようですが、それにしても犬とポニーがかわいそうですね。。


村上春樹・安西水丸著『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』(新潮文庫、1999年)を読みました。村上さんは多くの文藝翻訳を手掛けていらっしゃいますが、文中に「翻訳の本当の面白さは、優れたオーディオ装置がどこまでも自然音を追求するのと同じように、細かな一語一語にいたるまでいかに原文に忠実に訳せるかということに尽きる。[中略]僕は翻訳をやればやるほど、ますます痛切にそう感じるようになった」(「趣味としての翻訳」p. 71)という発言があります。本当におっしゃる通りだと思います。通訳もそうですが、元の文をまったく違う言語に置き換える際、どうやったら原文の意味を最大限に伝えることができるのか、本当にこれは至難の業ですし、経験と年数、勘とセンスがものを言うところではないでしょうか。

また、この前のページで村上さんは「翻訳が根っから好きだという人にそんなにひどい人はいないのではないか。」ともおっしゃっています。「忠実」さが求められる翻訳、自分はさておき(笑)、たしかにそれに従事する人にはあまり「ひどい人」はいないような気がするのですが、いかがでしょう?
(まぐまぐメルマガ「英語で身を立てる方法 vol.176」を改稿)

0 件のコメント:

コメントを投稿